「俺に足りないものって、なんだったのかな・・・。」

ふと、空を見上げながら思う。

それは、きっと勇気。
恐怖からの脱出。
信じあえる強い心。

だったのだろう。


お前の背中を押す、ということは、
俺自身もこの地を強く蹴り、自分のソラに向かって羽ばたくということ。
お前と過ごす時間が心地よすぎて、新しい一歩を踏みだすことに戸惑いはなかったか?

お前も、俺も進化し続けていたい。と願いながらも、
ともに過ごす時間が減ってしまうことに不安を感じていなかったか?

お互いの道を歩むことこそが、自分にとっても嬉しい。
と言いながら、どこかで離れてゆく心に不安を感じていなかったか?


実行してしまえば、こんなものか。と思わないでもない。


自分一人で歩んでゆく道の険しさも。
お前のいない部屋の寂しさも。
表情の見えない心細さもあるのだけれど。


メールのやりとりのたびに。
電話で声を聞くたびに。
空を見上げるたびに。


不変なものも確かにある。

と、実感できるから。


五感の全てでお前を常に感じているし。

お前も常に俺を見守っていてくれることを感じる。


いつでも会える気軽さとは、また違う。
短い時間に濃縮された分だけ、想いの強さも濃くなった気がする。


なんとなく過ごしていた毎日よりも、
大切なものを今までよりも意識するようになった毎日。


きっと、二人の勇気ある決断が、お互いを成長させてくれた。


俺に足りないもの。


足りなかった。んじゃなくて、失うように見えて得ることができたもの。


側にいることだけが愛じゃない。

目の前が開けたように、次々と決まってゆく大舞台が、
そんなふうに語りかけているような気がした。




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短編ですが。
ちょこっとだけ置いてゆきます^^

昨日のBACSを見ていて感じたことです^^