「こまめに連絡入れるし、
きちんと家までお送り届けるし、
まおの好みを完璧に把握してるし。」

ふふん。と笑った琢磨が挑戦的な視線を投げかけてくる。

「や。俺だって、まおがしょっちゅうライン送ってくるし、
まおが起きてくる前に暖房いれてやるし、
たまには食事だって作ってやってる・・・。」

「受身だよね。大ちゃん。
そんなことだから、面倒臭がりだとか、
暇だ。とか言われて、まおがふらふらするんだよ。」

うっ。

痛いところを突いてくる。

だが、それでも愛されている。
というのが、ゆるぎない信頼というものではないのか?

「部屋においで。って誘っても抵抗しないし。
助手席に乗るのって、なんだかドキドキする。とか言ってたし。
俺のこと、親友とかアピールしてたし。」

「それはっ・・・。」

それは、どうなのだろう?

俺の気を引きたくて、まおがわざとしているだけではないのか?

「知らないよ。
そうやって、愛されている自信に胡坐をかいていたら、
ぼくみたいな馬の骨にさらわれても。」

胡坐をかいているつもりなどない。
ただ、心底まおのことを愛して・・・。

ああ。でも、甘えているのかもな。

お前がいつだって最後には「愛しているよ。」と抱き締めてくれるから。


バーンっ!

とドアが勢いよく開く。


「ちょ。何勝手に裁判ごっこしてるんだよっ!」

「ごめん。ごめん。愛されているくせに、
たじたじする大ちゃんをからかうのが面白くて、つい。」

今まで大真面目に俺を追い詰めていた琢磨が、
ぷぷっ。と可笑しそうに噴きだす。

「おいっ!はめたな~~っ。琢磨っ!」

「大ちゃんも、何言いくるめられてるのっ!?
琢磨君とは親友でしょ?
そりゃあ、仲良くて当たり前じゃない。
男同士の友情って成立するよな?って大ちゃんも言ってたじゃんか。」

・・・そうだった。

と、言うか、そもそもそこは、異性間の友情が成立するか。
が、本来正しい議論だと思うんだけど。

「大ちゃんは俺のことが好き。
俺も、誰よりも大ちゃんのことが好き。
そんなの、誰に言われなくても、一番よくわかってるでしょ?」

両の頬を包まれたかと思うと、そっとくちづけられた。


「まお・・・。」

ヒュウっ!と冷やかすように口笛を鳴らしたのは、琢磨だ。


こうして、裁判は逆転勝利?を収めたのだった。



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長編の途中だから~。とかくの我慢してたんだけど。
やっぱりこの二人が並ぶと、頭に浮かんでしまう・・・(笑)

琢磨君だって、本当にいい男なんだもの(笑)
あれだけ、ベタベタされたら、信じててももやもやするってもんでしょう(笑)

ま、大まおはそんなところ通り越してホーエバーですから、揺るぎませんけどね^^