あの時からずっと気にかけてくれて、通っていてくれたのだとしたら?
プレゼントは彼女への贈り物ではなかったから、部屋に積んであったのかもしれない。
単に忙しくて、包みをほどく暇がなかったのかも。
それとも、他に・・・両親とか、友人とかに、プレゼントする相手がいて、渡しそびれていただけなのかも。
彼女は、選ぶのについてきていただけなのだとしたら?

どんどん都合のいいほうに、自分勝手に解釈してしまう。

・・・期待して、また裏切られるかも。

ああ。でも、そんなことはどうでもいい。

初めてデザインした拙いぼくの作品を気に入って、大切に持っていてくれた。
雨の中、一人ぼっちだったぼくに人のぬくもりというものを教えてくれた。

半年近く、わざわざ寄り道をして、ぼくの作品を眺めにきてくれた。
シャワー中でずぶ濡れだったのに、部屋に招き入れて、凍えていたぼくにあったかいコーヒーを淹れてくれた。
・・・口をつけることは、なかったけれど。

ぼくの知っている真実は、それだけ。

うぬぼれてもいいだろうか。
「お前をー・・・。」の続きを。

賑やかな女子高生の群れに声をかけられて、対応しながらも頭の中は彼のことでいっぱいだった。