「ん~~。もうちょっと・・・。」

心地よい眠りを目覚ましの音がさえぎる。

布団に包まったまま腕だけ出して、邪魔な音を消した。


うつら、うつらとそのまままどろみにつく。


抱き締めるものがないな~。先にまお起きたかなあ?
今日は少し温かいから、今頃洗濯でも干しているのかもしれない。

なーんて呑気なことを寝起きのぼうっ、とした頭で考えていた。

もうすぐしたら、綺麗な眉をきゅっと寄せて、「もうっ!いつまで寝てるの?遅刻しちゃうよっ!」
なんて乱暴に布団をはがされて、このまどろみから一気に現実に引き戻されるのだ。

と、意識のどこかで感じているのに、一向に時間が過ぎてゆかない。

目覚ましから、まおの容赦ない攻撃までの時間が今日はゆったりと過ぎてゆく・・・。


「・・・・・・?って、駄目じゃんっ!俺っ!!」

すっかり一人にも慣れてきた。と思っていたけれど、習慣とは恐ろしいものだ。


目覚ましを止めてから、まおのぬくもりを確かめる。
隣にいない時は、もう少ししたらきっと起こしてくれる。

そうしたら、「ばっちり、起きたよ?」なんて言いながら、
得意げに布団をはがしたまおの腕をとってベッドに引きずりこんでやろう。

数年間に渡って毎日繰り返された幸せな習慣。

「あー・・・。あぶなかった。遅刻するところだった。」

すっかり身に沁みてしまった習慣は、目覚ましの音を起きるための合図、ではなく。
まおを抱き締めるための合図、に変えてしまった。

「もう、3ヶ月になるのになあ・・・。」

壁にかかったカレンダーをぼんやりと眺める。

「まお、がんばってるかな・・・。」

しっかりもののまおのことだ。

いつまでも習慣の抜けない俺と違って、朝から爽やかに起きてくるくると動いているのだろう。

「ちょっとぐらい、さみしがってっかな?」

お前も、目覚ましを止めるたびに俺のことを思い出していればいいのに。

気温のせいだけではない、どこかスースーと隙間風が吹くような寒さを感じて、ぶるっと震えた。



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うわあW
ひっさしぶりの大まおです~。

つーか、お話が久しぶり?

なんだか、私の文章じゃないみない(笑)