---------side syou
コーヒーの豆をいつも仕入れる店で切れてしまっていたから。と久しぶりに訪れた懐かしい場所。
孤児が集まる不衛生だった街並みはすっかりと整備され、輸入品を扱うお洒落な店が立ち並ぶ。
貧しかったけれど、楽しかった日々。
懐かしさと共に、僅かばかりの切なさがツンと鼻をつく。
血の通わない冷たい手に似合わない温かさと優しさで、ずっと傍にいてくれた。
・・・オレだけの、理解者だったのに。
(確か、この辺りに昔よく遊んだ工場の廃棄物置き場が・・・)
懐かしい光景を期待して、綺麗な店の横をすり抜けると、だだっ広いコンクリートが広がっていた。
「・・・あれ?撤去されちゃったんだ・・・。」
友人も。
ケイも。
思い出も。
こうやって、全て、消えてゆく・・・・。
「・・・?」
何もないコンクリートに、キラリ。と空色の何かが光った。
「・・・・っ!!!」
ボロボロの包み紙。
あちこちが欠けてしまっていびつな形の小さな飴玉。
・・・オレとケイを繋ぐ思い出。
「ケイっ!ケイっ・・・!!!」
(・・・まさか。まさか。)
辺り一面に淡く雪化粧を施したように散らばる灰。
ぽつん、と置き去りにされたキャンディー。
やっと会えたと思ったのに。
指先から血が滲むのも構わずに、散らばった灰をかき集める。
ポタポタと地面を濡らす涙が、灰を泥に変える。
「泣くなっ!オレっ・・・。」
べったり。とコンクリートに張り付いてしまった泥を必死でかき集める。
胸が、引き裂かれる。
自分を化け物だと、泣きそうな目で訴えていたケイ。
好きだよ。と伝えると、苦しそうに心を閉ざしてしまったケイ。
「一人に、したくなかったのに・・・!」
どんなに叫んでも、届かない想い。
どんな呪われた存在だとしても、化け物だと世界中が彼をののしろうとも。
ただ一人っきりのオレの大切な人、だったんだ・・・。
コーヒーの豆をいつも仕入れる店で切れてしまっていたから。と久しぶりに訪れた懐かしい場所。
孤児が集まる不衛生だった街並みはすっかりと整備され、輸入品を扱うお洒落な店が立ち並ぶ。
貧しかったけれど、楽しかった日々。
懐かしさと共に、僅かばかりの切なさがツンと鼻をつく。
血の通わない冷たい手に似合わない温かさと優しさで、ずっと傍にいてくれた。
・・・オレだけの、理解者だったのに。
(確か、この辺りに昔よく遊んだ工場の廃棄物置き場が・・・)
懐かしい光景を期待して、綺麗な店の横をすり抜けると、だだっ広いコンクリートが広がっていた。
「・・・あれ?撤去されちゃったんだ・・・。」
友人も。
ケイも。
思い出も。
こうやって、全て、消えてゆく・・・・。
「・・・?」
何もないコンクリートに、キラリ。と空色の何かが光った。
「・・・・っ!!!」
ボロボロの包み紙。
あちこちが欠けてしまっていびつな形の小さな飴玉。
・・・オレとケイを繋ぐ思い出。
「ケイっ!ケイっ・・・!!!」
(・・・まさか。まさか。)
辺り一面に淡く雪化粧を施したように散らばる灰。
ぽつん、と置き去りにされたキャンディー。
やっと会えたと思ったのに。
指先から血が滲むのも構わずに、散らばった灰をかき集める。
ポタポタと地面を濡らす涙が、灰を泥に変える。
「泣くなっ!オレっ・・・。」
べったり。とコンクリートに張り付いてしまった泥を必死でかき集める。
胸が、引き裂かれる。
自分を化け物だと、泣きそうな目で訴えていたケイ。
好きだよ。と伝えると、苦しそうに心を閉ざしてしまったケイ。
「一人に、したくなかったのに・・・!」
どんなに叫んでも、届かない想い。
どんな呪われた存在だとしても、化け物だと世界中が彼をののしろうとも。
ただ一人っきりのオレの大切な人、だったんだ・・・。