真夜中に電話が鳴る。
ショウはぐっすりと眠ったままだ。
「・・・はい。・・・はい。・・え?・・・・そう、ですか・・・・。」
カシャンと、受話器の落ちる音が静かな部屋にやけに響いた。
制御のきかない熱が、身体の中を暴れ狂う。
怒り、というものは、こんな感情だったか?
俺の大切なものを奪いさられる。
カシャン・・・。
血液が逆流し、氷のように冷たい心臓が煮えたぎる。
割れた窓ガラスの破片が肌に突き刺さり、体液が飛び散る。
真冬の冷たい空気が傷口に沁みる。
それでも、痛みを感じないぐらい、頭の中は怒り。だけしかなかった。
空をすさまじい勢いで滑空する。
目に飛び込んできたのは、ストリートでショウと幼馴染のように育った友人がアスファルトに横たわっている姿だった。
胸から血を流し、唇は真っ青に晴れ上がり、元の顔立ちがわからないぐらいだ。
もう、息絶えているというのに、集団暴行は止む気配もない。
可笑しそうに薄ら笑いを浮かべながら、ボロ布のように蹴飛ばされ、転がされている。
「・・・っ!!!」
怒りのままに、集団暴行を続ける輩に片っ端から飛び掛り、息が絶えても尚、吸血した。
肉食の野獣が骨までしゃぶりつくすように。
彼らにも生はある。ということを忘れたように。
全身に血しぶきが飛び散り、べっとりとシャツが肌に張り付く。
口腔からボタボタと垂れる血液を手の甲でぬぐう。
思考が麻痺し、バンパイアの本能だけに全身を占領される。
ショウがくれた温かい家庭のぬくもりも、純粋な穢れのない気持ちも。
真っ黒に塗り替えられてしまう。
「・・・ケイっ!ケイっ!!!」
遠くで、誰かの声が聞こえる。
「ヤメテっ!・・・やめてくれっ・・・・。」
俺にすがりつき、泣きじゃくるコレは、何だ??
「正気に戻って!ケイっ・・・!!」
とうとう、俺は闇に飲みこまれてしまったのか。
人の生を奪い続けてきた罰なのか。
それとも、取り込んだ悪に蝕まれてしまったのか。
ダイジョウブ。ショウ。
オマエノ友人ヲ奪ッタヤツハ、オレノカラダヲ奪ッタ。
ショウはぐっすりと眠ったままだ。
「・・・はい。・・・はい。・・え?・・・・そう、ですか・・・・。」
カシャンと、受話器の落ちる音が静かな部屋にやけに響いた。
制御のきかない熱が、身体の中を暴れ狂う。
怒り、というものは、こんな感情だったか?
俺の大切なものを奪いさられる。
カシャン・・・。
血液が逆流し、氷のように冷たい心臓が煮えたぎる。
割れた窓ガラスの破片が肌に突き刺さり、体液が飛び散る。
真冬の冷たい空気が傷口に沁みる。
それでも、痛みを感じないぐらい、頭の中は怒り。だけしかなかった。
空をすさまじい勢いで滑空する。
目に飛び込んできたのは、ストリートでショウと幼馴染のように育った友人がアスファルトに横たわっている姿だった。
胸から血を流し、唇は真っ青に晴れ上がり、元の顔立ちがわからないぐらいだ。
もう、息絶えているというのに、集団暴行は止む気配もない。
可笑しそうに薄ら笑いを浮かべながら、ボロ布のように蹴飛ばされ、転がされている。
「・・・っ!!!」
怒りのままに、集団暴行を続ける輩に片っ端から飛び掛り、息が絶えても尚、吸血した。
肉食の野獣が骨までしゃぶりつくすように。
彼らにも生はある。ということを忘れたように。
全身に血しぶきが飛び散り、べっとりとシャツが肌に張り付く。
口腔からボタボタと垂れる血液を手の甲でぬぐう。
思考が麻痺し、バンパイアの本能だけに全身を占領される。
ショウがくれた温かい家庭のぬくもりも、純粋な穢れのない気持ちも。
真っ黒に塗り替えられてしまう。
「・・・ケイっ!ケイっ!!!」
遠くで、誰かの声が聞こえる。
「ヤメテっ!・・・やめてくれっ・・・・。」
俺にすがりつき、泣きじゃくるコレは、何だ??
「正気に戻って!ケイっ・・・!!」
とうとう、俺は闇に飲みこまれてしまったのか。
人の生を奪い続けてきた罰なのか。
それとも、取り込んだ悪に蝕まれてしまったのか。
ダイジョウブ。ショウ。
オマエノ友人ヲ奪ッタヤツハ、オレノカラダヲ奪ッタ。