クリスマスツリーにオーナメントを飾りつけながら、まおがふふ。と微笑む。
きらきらと光る電飾に照らされた横顔が、まるでマリア様のようだ。
イエス・キリストの誕生、すなわち、人類の罪からの解放。
どこまでも平等な神様が用意された、この聖なる日。

「ねえ。大ちゃん。天使に会ったことある?」
「・・・ああ。あるよ。」

「ええっ!?いつ??どこで??」

ふわふわと微笑んでいたまおが、心底驚いた!という表情に一転する。
くるくると変わるこの表情が好きだ。
やはり、愛しているんだ。と心の奥をくすぐられらながら、目の前の天使を抱き締める。

「今。ここで。」
「ええっ?」

ぱちくり。と瞬きを繰り返し、一所懸命天井を見上げるまおが愛くるしい。
こんっ!と人差し指で、鈍感な額をつついてやった。

「ばーか。お前のことだよ。」
「・・・え?・・・あ。ゴセイジャーだから?」

まあ、そうかもしれないけれど。
俺にとっては、ゴセイジャーがあろうかなかろうが、天使には違いない。
星を護るのではなく、ただ一人の俺の救い主のような存在だから。

そう。この暗闇に灯るキャンドルの炎のように。

「どんなにしんどいなー。無理かなー。って心身ともにぼろぼろなときでも、お前の顔見るとほっとするんだよ。
・・・ここが、あったかくなる。」

こん。と自分の胸を指す。

まおの背中には、本当に羽根が見えるようだ。

SORAのように色んな表情を持つ役者になりたい。と言っていたまお。
今は、役者だけではなく色んな魅力を持つ天使へと成長した。
遥か上空まで飛び立ったとしても、決して俺はその背中を見失わないだろう。

俺の大好きな空。
無限の可能性を秘める大空。


領土争いが起き、些細なことで衝突する地上。
網の目のように、細かく名前がつけられ、蟻のように這い回る。
お前の元に飛んでゆきたい、と思えども、海が邪魔をする。

唯一、国境も名前ももたぬ地上の楽園。
お前は、楽園の住人にふさわしい。

俺は、どこまでも手を伸ばし、お前を追い続けよう。
はかなく消える夢にしてしまわないために。


「おれのほうが、大ちゃんに憧れ続けてるんだよ。」
と、お前は澄んだ瞳で言うのだろう。

だいじょうぶだから。
見失わないから。
俺は、地上での安息地になるから。

フリーダム。
お前は、どこまでも続くこの空へ羽ばたけ。


・・・そして、疲れた翼をこの腕の中で休めておくれ。

・・・抱き締めさせて、くれ。


愛おしい俺だけの天使。


------------------------------

うーん・・・。
空の部分を詩のように描きたかったお話^^仮タイトルも「フリーダム」だったのですが。
天使なのか、クリスマスなのか。空のか。
テーマがぼやけてしまいました・・・。