「好きなタイプってどんなの?」
「うーん・・・。一緒にいて楽しいとか?」
「俺は王道だけど、さらさらのロングヘアーだな。」
「タイプってなあ・・・。好きになった子がタイプかな?」

口々に、思い思いのことを語るけれど、正直相手の話なんて真剣になんて聞いてはいない。
おのおの、自分の好みがこう。と主張したいだけなのだ。
話題をふってみた俺が、一番言いたいだけだったから。

毎回の合コンで盛り上がるたびに、必ずでてくるこの話題。
かと言って、本当にタイプの子と盛り上がるか、といえばそーでもない。
要は、話題づくり、みたいなもんかな。


でも、今日はちょっと違う。

「え?好きなタイプ?
えー・・・・。難しいなあ・・・。心が広くて、面倒見がよくて、気配りができてー・・・。あ!あと夢にくかって頑張ってる姿がかっこいいよねっ!」

きらっきら瞳を輝かせて、口の前で両手を合せたまおが嬉しそうに話す。
みんなの視線がぴきーんと固まってまお君に集まる。

「まお君。それって、タイプっつーか、告白?」
「えっ!?」

きょとん。と首を傾げると、くりくりしたお目目でぱしぱしと瞬きをする。

「あのさあ。まお。大ちゃん困ってるけど?」

タッキーが言葉を選んでまおに伝えるけれど、まおには伝わっていない。
大ちゃんの瞳をじいいっとまっすぐに見詰めている。

「あのね。まお君。大好きなまお君にそんなこと言われて、大ちゃんでれっでれだよ?」
「・・・えええっ!?」

やっと自分の失言?熱い告白?に気がついたまおが、急に顔を真っ赤にして台本を頭からかぶって顔を隠す。

「もしかして、天然か?まお。」
「よかったね~。大ちゃん。両思いだったみたいで。」

いつもは饒舌にみんなを盛り上げる大ちゃんだけど、や~。とか、そうなんだ~。とか。
曖昧に言葉をにごしながら、視線を泳がせるばかりだ。

両思い確実だというのに、お互いに照れまくって急に視線さえ合わそうとしない。
ういういしいっつーか、今更っつーか・・・・。

「お前ら、どこの純愛カップルだよっ!今時中学生でもそんな純な反応しないよっ!?」

まったく。
撮影ではしっかりキスしたり、触りまくったりしているというのに。

「だって・・・・。」
「なあ?」

ひょこっ!と台本から目だけだしたまお君が、あっちー。と顔をぱたぱたとあおいでいる。
年長者の余裕ってやつで兄貴ぶっていた大ちゃんが、俺に助けを求めるように視線をすがらせてくる。

「あーっ!もうっ。ほら。手えぐらい繋ぎなよ。保育園児でも、それぐらいするよ?」

ぐいっと二人の手をつかんで、しっかりと握り合わせると、

「ひゃあっ!」
「ちょ。馬場~~。」

素っ頓狂な声をあげながらも、しっかりと自分たちの繋がれた手を凝視している。

ドキドキドキドキ・・・。

そんな心臓の音が聞こえてきそうだ。

「ああっ!もう、見てるこっちが恥ずかしいわ。」
「お邪魔してると、馬に蹴られて死んじゃうぞ?」
「うっわー。馬が馬に蹴られて死んでたら洒落になんないわ。」

・・・あ。駄目だ。
全く聞いていない。あの二人。

じーっと今度は見詰め合ったまま静止画像になっている。

「・・・いこっか。タッキー。」
「・・・そうだな。」

ちょっとかるーい話題で盛り上がって、場を和ませるつもりだったのだけれど。
なんだか、別空間になってしまった。


控え室に二人を残して、パタンと扉を閉める。

「・・・なあなあ。タッキー。」
「ん?」
「あの二人って、ちゅーぐらいしてると思う?」
「・・・さあ。どうだろな。あの調子だからな・・・。」
「・・・確かに。」

二人の反応に、くくくっ!と楽しくて仕方がない笑みがこぼれる。


でもまあ。

若いってことはいいことだ。

あんなに初々しい反応をしていたまおが、美貌ではうっふん。あっはんになってるんだもんなー・・・。

大ちゃん、どんな仕込みしたんだ??



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ちょっと、リアルとずれていますねWW
途中で、ああ!虹色にはまだ馬場っちでてなかった!気がつきましたがW
この4人で、こんなう初々しい会話をしてほしかったの~~^^