今日、俺は32回目の誕生日を迎えた。

この世に生を受けて、毎日積み重なれていった時間。

己を作り上げていった、環境や価値観。

俺に関わってくれた様々な人々。


大きく息を吸い込むと、末端の細胞ひとつ、ひとつまで力がみなぎってゆくのがわかる。

己を構成するもの。

今まで積み上げてた努力や、注いできた心が積もり積もって毎年どんどん確固たる自信につながってゆく。

誰かの人生を演じる、という情熱はどどまることを知らない。

どこまでも、どこまでも。

と力強く走り続けられるのはーーーー。


愛情を注ぎこみ続けてくれる存在があるから。


どんなにエネルギッシュに生きていたとしても、枯渇することはない。


「与えてもらうばっかりでごめんね。ありがとお。」

と、お前は泣きそうな顔で微笑むけれど。

揺るがない愛情というものが、どれだけ俺を大きく羽ばたかせてくれているのか自覚しているのだろうか?


いや。

きっと、お前はそうやって一生俺に憧れ続け、ありがとう。といい続けるのだろう。


酸素と水と栄養素さえあれば、この肉体は息をすることはできるだろう。

だが、本当に生きる。ということはできはしない。

この肉体に生というものを与えてくれるもの。

それが、お前という存在なのだ。


誰よりも強く、うつくしいのに。


誰よりも優しく、俺のことを包んでくれる。


まお。


ただ一人のかけがえのない存在。


己を構成する、源となるもの。