「あっ!やっと繋がった!!」
「ごめん。ごめん。最近稽古が忙しくてさ~~。」

ただでさえ、時差の関係で連絡がとりにくいとぼやく俺の恋人。
ここのところ、日中も稽古で携帯をサイレンとマナーにしていることが多く、ますますすれ違いが続いていた。
電話の向こうで嬉しそうにまおが声を弾ませるのを聞くと、じんわりと安堵が広がってゆく。

「仕方がないけどね。お稽古頑張ってるんだよね?どう?順調?」
「ああ。毎日新しい発見があって面白いよ。」
「そっか・・・。」
「まおは、どうなんだ?」
「ん。言葉も通じるようになってきて、随分とやりやすくなったよ。」

お互いの近況を話あうだけの他愛のない会話が心地よい。

「ところでさあ。大ちゃん。誕生日に何か欲しいものとか、してほしいこととかある?」
「んー・・・。そうだなあ・・・。って、もう11月じゃんかっ!!」

「そうだよ。だから、毎日連絡してたのに、全然繋がらないんだもん。」
「やっべーっ。危うく忘れるところだった。」

「自分の誕生日忘れてたの~~?」
「だって、ここのところバタバタしてたから・・・。」

「稽古に入っちゃったら、いつもそうだよね。大ちゃん。そればっかりになって、おれのことだってあんまかまってくれなくなるし。」
「う・・・。それは、ごめん。」

クスクス。と電話の向こうでやわらかい笑い声がする。

「ふふっ。いいよお。そんな、真っ直ぐな大ちゃんが大すきだから。」

大ちゃんらしい。と笑うまおに「考えとく。」と電話を切った。
考えとく。ってたって、もうあと3日しかないんだけどな。

アイツのことだ。
きっと、考える余裕ないことなんてお見通しで、実はもう何か用意してくれているのだろう。


「う~~。まおのことは、それでいいとしても。不義理しちゃうとこだったな~~。」

慌てて久しぶりにブログの画面を開くのだった。

『3』

まおが教えてくれた、俺の誕生日まで、あと三日。



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ま、みなさん同じようなこと考えたのでは??と思うのですが^^
大ちゃんブログより~~^^

今年は、きっと稽古三昧でゆっくり誕生日気分に浸っている時間もないのでしょうね^^
でも、充実の日々できっと大ちゃんは嬉しいはず。