「要は、お化け屋敷ってことだろ??」
「お化けに扮装して、悪霊から身を守るんだよな。」
「じゃ、季節はずれな肝試しってことで~~!!」

ギイが加わると、一気にお祭りごとは話がすすむ。

「ほら、いっぱいグッズも持ってきたし。」
「また、そういうことするでしょ。ギイってば。」

わざわざアメリカからダンボール何箱。とかって単位で空輸してしまうところが凄い。

「だって、こっち帰ってきてからゆっくり選ぶ暇なさそうだったからさ~~。」
「だからって、こんなにたくさん。きっと、輸送費のほうが高くついてるよ。」

庶民のぼくは、そんなつまらないことを心配してしまう。
母親から送られてくる食料品の入った宅急便は嬉しいのと同時に、輸送量でこの食材分ぐらい買えちゃうのになあ。と思ってしまう心境と似ているのかもしれない。

「オレ、絶対おどかすほうっ!!もちろん、タクミもな。」
「えっ!?そうなの?」

急に話題を振られてびっくりする。

「だってお前、お化け苦手だろ~。お前一人で校内まわれんの?」
「う・・・。無理、です・・・。」

「じゃ、決まりなっ!」

ギイが、お化けに扮装する人物リストにうきうきと名前を書き込んでゆく。

「お客が来ないときは、逢引しよーなっ。タクミ。」

こそっと耳元でささやかれて、一気に頬が熱くなった。