心が満たされてくると、まおの家事を手伝っている分、今までよりも時間的にはキツクなっているはずなのに、余裕がでてくる。
「・・・薙のところにでも行ってみるかな。」
まおには、今度の試合は芝コートだから専用のシューズがあったほうがいいだろう。
芝コートは初めてだ。というまおのために選んでやる。と理由をつけて薙の店に行くことにした。
・・・ま、半分はこのかわいいできたてほやほやの恋人を見せびらかしたい気持ちもあったのだが。
集合写真でもいいから!
まおを見たい。と食い下がるのを、秘めた恋だから。と拒否っていた自分が遠い過去のようだ。
人間辛い恋は隠したくても、幸せな恋は見せびらかしたくなるものらしい。
薙と店長の間の空気がなんとも言えず優しくて、ほんわかしていて。
お互いに信頼して安心しきっている穏やかさに満たされているのに、なぜだかちょっと照れてしまうのは、
本人たちは見せびらかしている意識はなくても、漏れでてしまうものだからかもしれない。。
・・・って、俺ももしかして校内で幸せオーラ撒き散らしてないだろうなっw
まおほど、わかりやすくはないだろうけど。
「いらっしゃいませ~~。」
ほんの一週間前には、緊張で血の気を失い震えながら押した扉が、軽やかに音を立てながら開く。
今時にしては珍しい、扉が開閉するたびにチリンチリンと鈴の音が鳴り響く扉。
スポーツ用品店だというのに、扉を開けるとほっと安心して一息いれたくなるような雰囲気がある。
「・・・なんか、カフェでもいけそうだな。この店。」
ダンディーな店長と、線が細くて綺麗なのに明るくて笑顔のかわいい薙。
きっと毎日ファンが耐えない店になるだろう。
「わお!大輔久しぶり~~。」
「久しぶりでもないだろ。一週間前会ったばっかりだぞ?」
しかも、その前なんて大学のときに偶然会ったぶりだ。
お互いを理解しあうと、一気に毎日一緒に過ごしていた頃に引き戻されたようだ。
「・・・あれ?今日はお連れさんと一緒?」
「・・・ああ。」
まおはすでに陳列棚にあるシューズやラケットに巻くグリップなどを眺めている。
「・・・もしかして、もしかする?」
前回は俺が薙に問いかけたセリフをそのまま投げかけられる。
悪戯を発見したような期待に満ちた瞳がじいいっと俺を見詰める。
「・・・もしかして、もしか。だよ。」
薙のように、かあぁ。と首筋を染める。というほど純情でもないが、こんなにも照れくさくて嬉しいものだとは思わなかった。
「へ~えっ!大輔でもそんな動揺するんだ~~。誰に告白されてもしれっと後腐れなく断ってたのに。あっ!本当に好かれてるのかどーかわかんない。ってふられたこともあったっけ?」
「うるせーよ。」
「それだけ本気。ってことだよなあ。」
よかったね。と瞳が微笑んでいる。
底抜けに明るくて、自由奔放で、感情豊かで、なのに負けず嫌い。
冷静沈着で、情に流されず的確な判断ができる。と高校生ながらに尊敬を受けていた俺は、薙のこの性格を羨ましいと思っていたこともあった。
そんなポーカーフェイスしてるから、誤解されるんだよ。
と、よく言われたものだ。
薙だけが、本当の俺を理解してくれている。と思っていたけれど。
まおと出会って、自分でも感情が豊かになったように思う。
子供っぽい独占欲。見詰められるくすぐったさ。ともに食事をとるだけで感じる幸せ。
「・・・薙のところにでも行ってみるかな。」
まおには、今度の試合は芝コートだから専用のシューズがあったほうがいいだろう。
芝コートは初めてだ。というまおのために選んでやる。と理由をつけて薙の店に行くことにした。
・・・ま、半分はこのかわいいできたてほやほやの恋人を見せびらかしたい気持ちもあったのだが。
集合写真でもいいから!
まおを見たい。と食い下がるのを、秘めた恋だから。と拒否っていた自分が遠い過去のようだ。
人間辛い恋は隠したくても、幸せな恋は見せびらかしたくなるものらしい。
薙と店長の間の空気がなんとも言えず優しくて、ほんわかしていて。
お互いに信頼して安心しきっている穏やかさに満たされているのに、なぜだかちょっと照れてしまうのは、
本人たちは見せびらかしている意識はなくても、漏れでてしまうものだからかもしれない。。
・・・って、俺ももしかして校内で幸せオーラ撒き散らしてないだろうなっw
まおほど、わかりやすくはないだろうけど。
「いらっしゃいませ~~。」
ほんの一週間前には、緊張で血の気を失い震えながら押した扉が、軽やかに音を立てながら開く。
今時にしては珍しい、扉が開閉するたびにチリンチリンと鈴の音が鳴り響く扉。
スポーツ用品店だというのに、扉を開けるとほっと安心して一息いれたくなるような雰囲気がある。
「・・・なんか、カフェでもいけそうだな。この店。」
ダンディーな店長と、線が細くて綺麗なのに明るくて笑顔のかわいい薙。
きっと毎日ファンが耐えない店になるだろう。
「わお!大輔久しぶり~~。」
「久しぶりでもないだろ。一週間前会ったばっかりだぞ?」
しかも、その前なんて大学のときに偶然会ったぶりだ。
お互いを理解しあうと、一気に毎日一緒に過ごしていた頃に引き戻されたようだ。
「・・・あれ?今日はお連れさんと一緒?」
「・・・ああ。」
まおはすでに陳列棚にあるシューズやラケットに巻くグリップなどを眺めている。
「・・・もしかして、もしかする?」
前回は俺が薙に問いかけたセリフをそのまま投げかけられる。
悪戯を発見したような期待に満ちた瞳がじいいっと俺を見詰める。
「・・・もしかして、もしか。だよ。」
薙のように、かあぁ。と首筋を染める。というほど純情でもないが、こんなにも照れくさくて嬉しいものだとは思わなかった。
「へ~えっ!大輔でもそんな動揺するんだ~~。誰に告白されてもしれっと後腐れなく断ってたのに。あっ!本当に好かれてるのかどーかわかんない。ってふられたこともあったっけ?」
「うるせーよ。」
「それだけ本気。ってことだよなあ。」
よかったね。と瞳が微笑んでいる。
底抜けに明るくて、自由奔放で、感情豊かで、なのに負けず嫌い。
冷静沈着で、情に流されず的確な判断ができる。と高校生ながらに尊敬を受けていた俺は、薙のこの性格を羨ましいと思っていたこともあった。
そんなポーカーフェイスしてるから、誤解されるんだよ。
と、よく言われたものだ。
薙だけが、本当の俺を理解してくれている。と思っていたけれど。
まおと出会って、自分でも感情が豊かになったように思う。
子供っぽい独占欲。見詰められるくすぐったさ。ともに食事をとるだけで感じる幸せ。