Ｂｌｕｅ ｐｌａｎｅｔ ⑫

灼熱の空気が喉を焼く。

肌に触れる大気がナイフのように突き刺さる。

どす黒く濁った空は、光を通さない。


「・・・・これが、ブループラネットの正体・・・？」

思い描いていた現実とあまりにもかけ離れていて呆然とする。
ごほごほっ！とまおが咳き込む声で、我に返る。

「・・・大ちゃん？」
「・・・ごめん。まお。本物の空は、もう存在しなかったよ・・・。」

どうしたの？と心配そうに見上げてくるまおに事実を告げることができない。
思い描いていた空と違っても、それが真実。
・・・お父さんは知っていたんだね。

喉を焼く大気が気道に流れ込んできて、息ができない。

けたたましいサイレンが鳴り響き、頭がガンガンする。

まおをぎゅうううっと抱き締めたまま、意識が遠のいていった。


「愛してるよ。まお。それだけを憶えていて・・・。」


最後に重ねられた唇は、温かくて、涙が出るほど愛おしかった。