「おっ。今日は4枚切りも6枚切りも売り切れかー・・・。」

食パンコーナーに手を出しかけて、ひっこめる。


二人暮らしの習慣が身についてしまって、食パンは偶数切り。という暗黙のルールがなりたっていた。

食に対して、見た目にはこだわるけれど、どちらかというと無頓着なまおは
「そんなこと気にしないのに。」と、言ってくれるけれど、俺が気にしてしまうのだ。

だって、奇数枚しか入ってなかったら、最後の一枚がどちらかが古いちょっとぱさつきかけたパンを食べないといけない。

「2日ぐらい変わんないよお?」

と、まおは美味しそうにジャムをたっぷり塗って頬張るのだけれど、俺にとっては2日の違いは新鮮さが全く違う。

トースターに食パンを放りこみながら、
「こっちが新しいほうだな。」とかって意識してしまう。

案の上、「まおに美味しいほうを食べさてやりたい。」と願ってしまうのに、ジャムをたあっぷり塗って、
「かわんないよ?」と言われたらがっくりきてしまう。

なのにやめられらい過保護っぷりが自分で自覚できているだけに。

売り切れだったら、他の店を回ってでも以前だったら探していた。


「ま、いっか。5枚でも。」

正直、4枚切りではちょっとボリュームがありすぎるし、6枚切りでは物足りなかったのだ。


一人になって肩の力が抜けた部分もあるのかもな。


「今頃、フランスパンでもかじりながら、くしゃみしてるかな?まお。」


噂をするとくしゃみがでる。は万国共通なのだろうか?と首をかしげた。