今日も昨日と何ひとつ変わらない一日が始まる。
天気計画表通りに、6時になれば朝日が輝き、徐々に明るくなってくる。
強化硝子の天井には、青い空が映し出され、雲がゆっくりと流れてゆく。
計算されつくした風が、そよそよと肌を撫でてゆく。
透明感のあるグリーンは、美しいけれど触れることはできない。
温度管理された窒素と酸素の配合が常に一定に保たれた空気が循環する。
不快感を覚えることなどひとつもないけれど、計算されたとおりに季節がうつろうツクリモノのこの世界。
誰も、ツクリモノであることを疑問に思わず、当たり前のように毎日この退屈な日々を過ごしている。
幼きころの遊び場だった博士の部屋を除いては。
彼の部屋には、かつてこのplanetに存在したと言われる植物が生い茂り、水音をたてながら植物の間を本物の水が流れていた。
虫と呼ばれる小さな生き物が、部屋中をぶんぶんと飛び回っていて、うるさかった。
部屋の壁には、かつて存在した。と言われるどこまでも澄んだ青い空と、煌く海の写真がところ狭しと飾ってあって、コドモゴコロにいつかこの世界に行ってみたい。と強く願ったものだ。
「・・・・ねえ。博士。外の世界には、どうやったら行けるの?」
「・・・政府が厳重に管理している出口があってね。それは私にもわからない。
この世界から脱走しようとする人間は、厳重に処罰されるんだ。」
「・・・じゃあ、博士も本物を見たことはないの?」
「・・・ああ。古い記憶の中に眠っているがね。」
「どんな、だろうね。」
「夢のように美しいよ。」
生まれてから何度も繰り返される景色を眺めながら、いつか夢のような美しいblue planetへ、まおと一緒に行きたい。
博士の入れてくれる甘いココアを飲みながら、そう願ったのだった。
天気計画表通りに、6時になれば朝日が輝き、徐々に明るくなってくる。
強化硝子の天井には、青い空が映し出され、雲がゆっくりと流れてゆく。
計算されつくした風が、そよそよと肌を撫でてゆく。
透明感のあるグリーンは、美しいけれど触れることはできない。
温度管理された窒素と酸素の配合が常に一定に保たれた空気が循環する。
不快感を覚えることなどひとつもないけれど、計算されたとおりに季節がうつろうツクリモノのこの世界。
誰も、ツクリモノであることを疑問に思わず、当たり前のように毎日この退屈な日々を過ごしている。
幼きころの遊び場だった博士の部屋を除いては。
彼の部屋には、かつてこのplanetに存在したと言われる植物が生い茂り、水音をたてながら植物の間を本物の水が流れていた。
虫と呼ばれる小さな生き物が、部屋中をぶんぶんと飛び回っていて、うるさかった。
部屋の壁には、かつて存在した。と言われるどこまでも澄んだ青い空と、煌く海の写真がところ狭しと飾ってあって、コドモゴコロにいつかこの世界に行ってみたい。と強く願ったものだ。
「・・・・ねえ。博士。外の世界には、どうやったら行けるの?」
「・・・政府が厳重に管理している出口があってね。それは私にもわからない。
この世界から脱走しようとする人間は、厳重に処罰されるんだ。」
「・・・じゃあ、博士も本物を見たことはないの?」
「・・・ああ。古い記憶の中に眠っているがね。」
「どんな、だろうね。」
「夢のように美しいよ。」
生まれてから何度も繰り返される景色を眺めながら、いつか夢のような美しいblue planetへ、まおと一緒に行きたい。
博士の入れてくれる甘いココアを飲みながら、そう願ったのだった。