ざああー・・・っ!!!!

雷が鳴っていたかと思うと、急に豪雨が降ってくる。

窓ガラスを激しくたたく雨。

バケツの水をぶちまけたように、硝子を伝う。


「すごい、雨だな・・・・。」


窓ガラスを伝う雨をそっと指先でたどる。

自分の指先が硝子にうつるのをぼんやりと眺めながら。


アイツがここにいたなら。


「すごいねっ!大ちゃん。みてみて~~。」

と、窓越しに外を眺めながら、きらきらした瞳でこちらを振り返っただろう。

「そうだな。最近は、こんな雨ばかりだな・・・。」


なんて、彼の髪の香りをかぎながら、同じく空を眺めただろう。



雷が鳴っても、「わあっ。すごい音っ!」なんて言いながら、俺の膝にのっかってきただろう。

ゴロゴロと鳴り響く音に「耳を塞いで~~。」とかって、うさぎさんのように丸くなって腕の中で震えているのだろう。


「そっちは、どうだ?」


一人で怖がって震えていないか?


どんよりと激しい雨を降らせ続ける空を見上げた。


「もうっ。大ちゃん、心配しすぎだよ~~。」


雨が伝う硝子に、呆れたようにはにかむまおの笑顔が映った。