次の日。

面会時間になると、部活の同期や後輩たちがわらわらと見舞いにやってきてくれた。

「もう。悔しかったですっ!!」
「残念だったけど、大輔さんのファインプレーに感動しました。」

口々に感想を述べてくれるけれど、誰も薙のことを話題にしない。

「なあ。薙は・・・?」
「草刈先輩、どこまで回復するんでしょうね・・・。今のことろ失明とまではいかなくても、弱い光を感じるぐらいだって・・・。」

あ・・・・。

意識がはっきりするにつれて、よみがえってきた記憶。

肘に激痛が走って、俺の手を離れたラケットが薙の顔面に・・・。


「ごめん。一人にさせてくれないか?」


俺が、未来を奪った。

二人で叶えよう。と誓った約束を、俺が壊した。


俺の腕は治ってしまえば、それまでかもしれない。


でも、薙の目は・・・・。


ドクドクドク・・・。

うるさいほどに心臓が高鳴り、息ができなくなって・・・・。


ふたたび意識を失った。