「天気もいいし。こんな日は自転車にでも乗って、海岸線をぶっとばしたら気持ちいいだろうーなーっ!!」
しゃっ。とカーテンを開けると、眩しいばかりの光と、爽やかな風が流れ込んでくる。
「おっ。ほんと、いい天気。」
ソファで本を読んでいた大ちゃんが、いつの間にか背後から外を覗き込む。
ふわ。と大ちゃんの香りに包まれて、ああ。今日も一緒にいるんだなあ。と実感する。
「行ってもいい?」
「いいよ。できれば俺もお供したいけど。」
「うーん・・・。隣、走る??」
「や・・・。それはさすがに無理でしょう。」
「だよね・・・。」
いくら大ちゃんがジムで鍛えてると言えども、自転車のスピード並みに走り続ける。というわけにはいかないだろう。
「じゃあさ。後ろ乗る?」
「・・・もしかして、まおが運転するの?」
「駄目かな?」
「駄目というか、ふらふらでしょう。お前、最近筋肉落ちてるし。」
体力が落ちない程度には筋トレも運動もしているのだけれど、もともと運動しないとすぐに体重の落ちてしまうおれは、一回り華奢になってしまった印象はある。
「・・・ま、それはそれで、腕にジャストサイズで何か嬉しいけどな。」
「・・・馬鹿。」
以前よりもすっぽりと包み込めるようになった腕を、回してきながら耳元にささやかれる。
「じゃあ、散歩しながら立ち乗り用の補助具買って、俺がお前をのっけてやるよ。」
「・・・なんか、照れるね。後ろに乗るのって・・・。」
ゆっくりと自転車を押しながら、二人で歩く散歩道。
ああ。こんなふうにいつも一緒に歩いてきたね。
だけど、毎日が慌しくてすっごく駆け足で通り抜けて、周りの風景をゆっくり楽しむ余裕がなかった気がする。
「・・・ねえ。大ちゃん。」
「・・・ん?」
「おれ、後悔してないよ。」
「・・・だな。」
今までのこと、これからのこと、ゆっくりと改めて見詰めなおす時間ができたから。
「いくぞっ!!まお。」
「うんっ!!」
果てしなく続くように見える長い長い坂道を、大ちゃんの肩につかまって一気に下る。
「きもちいーっ!!」
「やっほう!!」
海からの潮の香り。
びゅうびゅうとうるさいぐらいに耳を掠める向かい風。
めまぐるしく後ろに飛んでゆく景色。
一気に坂道を下りきった大ちゃんが、両脚を広げて惰性でぐらぐらとハンドルを切りながら蛇行運転する。
「わわわっ。あぶないよお。」
振り落とされそうになって、はしっ!と背中につかまれば、
「はははっ。しっかりつかまっとけよ~~。」
って嬉しそうにぐねぐね運転に磨きがかかる。
「もうっ。あぶないってばっ!!」
すっかり背中に抱きつくような状態になって、ゆさゆさと揺らしながら抗議する。
「だって、まおが抱きついてくれるだろ?」
前を向いたまま、やっぱり上機嫌でぐねぐね運転をやめようとしない。
「もうっ。そんなことしなくたって、ちゃんと抱き締めてあげるよっ!」
「この、必死でつかまってます。って感じがいいんだよ。」
「・・どんなだよ。」
きゃはは~~。と少年のように楽しそうに笑う大ちゃんの背中。
大木が影を落とす曲がり角まできて、キキッと急ブレーキをかける。
「わわっ。いたたっ。鼻打っちゃった。」
視界いっぱいに広がる大ちゃんの背中に、思いっきり顔面から突っ込んでしまった。
「・・・なあ。まお。」
「・・・ん?」
「俺が無茶しても、こうやって追いかけてきてくれるか?」
「・・・んん?どういう意味??」
急に声のトーンを落として語りかけてくる大ちゃんの背中は、いつもより頼りなげに見えた。
「例えば、俺が急に海外青年協力隊とか、海外転勤とか当たり前の仕事を選んだとして。
ぞれでもまおは追いかけてきてくれるか?」
「そんなの・・・。」
そんなの、どうなんだろう?
自分の今ある生活を全てなげうって、ついていくことなんてできるだろうか?
「そうだね。でも、そうやって突っ走っている大ちゃんが大すきだから。
気の済むまで自分の好きなことしておいで。って待ってる・・・かな?」
「そっか。」
安心した。と小さく自分に言い聞かせるようにつぶやきながら、振向きざまにキスをされた。
唇が離れていった後に見えた大ちゃんの表情は、本当に優しく包み込んでくれるような笑顔で。
・・・ごめんね。ありがとう。
いつも甘えてばかりで。
どこか、大ちゃんの愛情を試しちゃうようなわがままぶりで。
でも、どんなに無茶をしても、絶対に手を離すことのない大ちゃんが好き。
もし、大ちゃんがどんな意思決定をしたとしても。
おれだって、ちゃんとついていくよ??
だって、信じてるから。
・・・ね?
自転車のサドルに両手をかけて、今度は自分からちゅ。とキスをした。
「愛してるよ。大ちゃん。」
それが、全て。
--------------------------
はしゃいでる大ちゃんと、自転車に乗る大まおを書きたかっただけなのですがW
最後の自転車のサドルに手をかけて、ちょっと上向きでちゅ。とキスをするまお君の映像が見たいいい///
しゃっ。とカーテンを開けると、眩しいばかりの光と、爽やかな風が流れ込んでくる。
「おっ。ほんと、いい天気。」
ソファで本を読んでいた大ちゃんが、いつの間にか背後から外を覗き込む。
ふわ。と大ちゃんの香りに包まれて、ああ。今日も一緒にいるんだなあ。と実感する。
「行ってもいい?」
「いいよ。できれば俺もお供したいけど。」
「うーん・・・。隣、走る??」
「や・・・。それはさすがに無理でしょう。」
「だよね・・・。」
いくら大ちゃんがジムで鍛えてると言えども、自転車のスピード並みに走り続ける。というわけにはいかないだろう。
「じゃあさ。後ろ乗る?」
「・・・もしかして、まおが運転するの?」
「駄目かな?」
「駄目というか、ふらふらでしょう。お前、最近筋肉落ちてるし。」
体力が落ちない程度には筋トレも運動もしているのだけれど、もともと運動しないとすぐに体重の落ちてしまうおれは、一回り華奢になってしまった印象はある。
「・・・ま、それはそれで、腕にジャストサイズで何か嬉しいけどな。」
「・・・馬鹿。」
以前よりもすっぽりと包み込めるようになった腕を、回してきながら耳元にささやかれる。
「じゃあ、散歩しながら立ち乗り用の補助具買って、俺がお前をのっけてやるよ。」
「・・・なんか、照れるね。後ろに乗るのって・・・。」
ゆっくりと自転車を押しながら、二人で歩く散歩道。
ああ。こんなふうにいつも一緒に歩いてきたね。
だけど、毎日が慌しくてすっごく駆け足で通り抜けて、周りの風景をゆっくり楽しむ余裕がなかった気がする。
「・・・ねえ。大ちゃん。」
「・・・ん?」
「おれ、後悔してないよ。」
「・・・だな。」
今までのこと、これからのこと、ゆっくりと改めて見詰めなおす時間ができたから。
「いくぞっ!!まお。」
「うんっ!!」
果てしなく続くように見える長い長い坂道を、大ちゃんの肩につかまって一気に下る。
「きもちいーっ!!」
「やっほう!!」
海からの潮の香り。
びゅうびゅうとうるさいぐらいに耳を掠める向かい風。
めまぐるしく後ろに飛んでゆく景色。
一気に坂道を下りきった大ちゃんが、両脚を広げて惰性でぐらぐらとハンドルを切りながら蛇行運転する。
「わわわっ。あぶないよお。」
振り落とされそうになって、はしっ!と背中につかまれば、
「はははっ。しっかりつかまっとけよ~~。」
って嬉しそうにぐねぐね運転に磨きがかかる。
「もうっ。あぶないってばっ!!」
すっかり背中に抱きつくような状態になって、ゆさゆさと揺らしながら抗議する。
「だって、まおが抱きついてくれるだろ?」
前を向いたまま、やっぱり上機嫌でぐねぐね運転をやめようとしない。
「もうっ。そんなことしなくたって、ちゃんと抱き締めてあげるよっ!」
「この、必死でつかまってます。って感じがいいんだよ。」
「・・どんなだよ。」
きゃはは~~。と少年のように楽しそうに笑う大ちゃんの背中。
大木が影を落とす曲がり角まできて、キキッと急ブレーキをかける。
「わわっ。いたたっ。鼻打っちゃった。」
視界いっぱいに広がる大ちゃんの背中に、思いっきり顔面から突っ込んでしまった。
「・・・なあ。まお。」
「・・・ん?」
「俺が無茶しても、こうやって追いかけてきてくれるか?」
「・・・んん?どういう意味??」
急に声のトーンを落として語りかけてくる大ちゃんの背中は、いつもより頼りなげに見えた。
「例えば、俺が急に海外青年協力隊とか、海外転勤とか当たり前の仕事を選んだとして。
ぞれでもまおは追いかけてきてくれるか?」
「そんなの・・・。」
そんなの、どうなんだろう?
自分の今ある生活を全てなげうって、ついていくことなんてできるだろうか?
「そうだね。でも、そうやって突っ走っている大ちゃんが大すきだから。
気の済むまで自分の好きなことしておいで。って待ってる・・・かな?」
「そっか。」
安心した。と小さく自分に言い聞かせるようにつぶやきながら、振向きざまにキスをされた。
唇が離れていった後に見えた大ちゃんの表情は、本当に優しく包み込んでくれるような笑顔で。
・・・ごめんね。ありがとう。
いつも甘えてばかりで。
どこか、大ちゃんの愛情を試しちゃうようなわがままぶりで。
でも、どんなに無茶をしても、絶対に手を離すことのない大ちゃんが好き。
もし、大ちゃんがどんな意思決定をしたとしても。
おれだって、ちゃんとついていくよ??
だって、信じてるから。
・・・ね?
自転車のサドルに両手をかけて、今度は自分からちゅ。とキスをした。
「愛してるよ。大ちゃん。」
それが、全て。
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はしゃいでる大ちゃんと、自転車に乗る大まおを書きたかっただけなのですがW
最後の自転車のサドルに手をかけて、ちょっと上向きでちゅ。とキスをするまお君の映像が見たいいい///