「ま~~おっ。お土産。」

お仕事から帰ってきたかと思えば、目の前にわんこのあめちゃんが差し出される。

「わあっ。めっちゃかわいい~~。」

棒にささった、カラフルな色彩の飴細工。
今日はキャストサイズの撮影だったから、また一目惚れしちゃったんだな。

「だろ?なんか、このわんこ見てたら、お前の目にそっくりだなあ。と思って、ついつい買ちゃった。」
「・・・え?おれ?大ちゃんじゃ、なくて??」

「俺より、まおのほうが似てるっしょ??この黒くてくりくりした瞳とか~~。」
「ええ~~。つぶらな感じが大ちゃんに似てるよ~~。」

わんこ飴と並んでお互いに写メを取り合ったりして、どっちが似ているか?
なんて、おしゃべりする。

「なんだか、食べるのもったいないね。」
「ああ。まおに似てるからな。」

「ええ~~。それを言うなら、大ちゃんに似てるから。だよ~~。」
「ちょっと、飾っておこうか?」

「んー・・・。でも、暑いからどろどろに溶けそう・・・。」
「じゃ、冷蔵庫か?」

「んー・・。そんなことしたら、大ちゃん寂しがりやだから、可哀想・・・。」
「ああ。そう言われるとなんだか、まおを一人で閉じ込めているような気がしてきた・・・。」

「・・・食べちゃう?」
「そうだな。」


結局、ブログにUPするために写メを撮って、冷蔵庫にしまっておいてからお風呂に入る。


「大ちゃんから、食べなよ。」
「うう・・・。一口目、が勇気いるなあ・・・。」

「じゃあ。せーのっ、で食べよ??」


わんこのほっぺたの両頬にちゅ。とキスをするようにして舐めた。


「ん。甘いね。」
「見た目もかわいいけど、味もおいしい。」


ちゅ。ちゅ。と何度もわんこにキスをしながら近づく二人の舌先。


「大ちゃんの舌も甘い。」
「・・・まおもな。」


「大ちゃん。」
「まお。」


ちゅ。ちゅ。と重ねられるキスは、いつの間にかわんこにではなく、大ちゃんとになっていて。


一回り小さくなったわんこが呆れるようにおれたちを見上げていた。


ごめんね。


やっぱり、お前もかわいいけど、大ちゃんのほうがもっともっと好き。