「・・・・何。お前!?」

「え~~。何がぁ??」

ここのところ、お仕事がゆったりペースになった大ちゃんは、今まで忙しくて見れなかったおれの出演作品のDVDチェックに余念がない。


「これっ!!夏目先生と、冬森先生のBLにしか見えないだけどっ!!」
「そうかなあ??大ちゃんが、そういう目で見るからだよ。」

一番の理解者の馬場っちじゃないか。
馬場っちにやきもち妬いてどうするんだよ。


「お前のガードがゆるすぎるっ!!」
「だって、馬場っちだもん。」

100%心配いらないでしょ??

絶対に友情以外の何者も生まれないよ??


「自由気ままに暴走する馬場っちに、お前は甘すぎるっ!!」
「だって、面白いんだもん。」


「ほらっ。これなんかっ。告白かっつーのっ!!」


はしゃぎまくる馬場っちがおれに向かって
「でも、こんな俺のこと好きでしょ?」
「うん。好き・・・。」


ってつぶやいているメイキングシーン。


よく見てるなー・・・。大ちゃん。


「だって、好きだもん。気を許せる相手とゆーか。」


大ちゃんと、好きの種類というか、次元が違うのだ。
純粋な友情と、愛情の違い。


「なんかさーっ。時々、疎外感じるんだよな。」
「・・・え?どうして??」


大ちゃんを仲間はずれにしたことなんて、一度もないけど。


「お前らB型同士だからか、楽しそうにはしゃいでて、俺が一生懸命進行気にしてるときとかさあ~~。
まお、もしかして、馬場っちといるほうが楽しい??とか・・・。」

・・・・ふふっ。大ちゃんって、気にしいだなあ。


「そりゃあ、楽しいよ。気を遣わないもん。・・・あっ。大ちゃんに気を遣ってるって意味じゃなくて。
・・・あ。いや、遣ってるのかな~~??」

自分でも言っている意味がよくわからない。

「ほら。やっぱり、大ちゃんには好きでいてもらいたい。とか、どうすれば、大ちゃん喜ぶのかな??とか、色々考えるでしょ??でも、馬場っちは、そういうのがゼロだからさっ。単純に楽しいの。」

「うーん・・。でも、すっきりしないなあ?」


「もうっ。それぐらい大ちゃんのことは、もっともっと好きってことだよっ!!」


ぐいっと。両頬を手のひらで挟むと、ちゅ。とキスをする。


メンドウクサイ男だ。


やっぱり。




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「・・・大ちゃん、これベタベタし過ぎだよお。」

後輩の肩を抱いて、にっこり笑顔で映っているシャメを印籠のように見せ付けて、まおが文句を言う。


「そうか??普通だよ。」
「普通、がやなのっ!!!」

「深い意味はないぞ??単に、後輩としての感覚しか・・・。」
「・・・でも、かわいいでしょ?」

「それは、後輩だからな。」
「・・それが、や、なの。」

「難しいことを言うなあ。お前。」


間違っても恋に発展することなんて、ないのに。


「恋人は生涯お前だけだぞ??心配しなくても。」
「そーゆー意味じゃなくてっ!!」

じゃあ、どういう意味なんだ??


「だって、勝てない気がするんだもん。事務所の後輩って立ち位置には・・・。」
「それは・・・。仕方がないだろ?」

「全部、一人占めしたいんだもん。」

ぎゅううっとまおが抱きついてくる。


「恋人としても、友人としても、後輩としても・・・。」
「・・・かわいいこと言うなあ。お前。」


なんだ。


やっぱりお前も一緒だろ??


恋人として不動の存在だと思っていても、友情やら、後輩やらに、やきもち妬くんじゃん。


「お前は、俺の一番だよ。何に於いても。」


ぎゅううっと抱き締め返して、まだふくれてとんがっている唇にキスをした。





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お互い様でしょ??

ご馳走さまでした~~。な二人でした^^

でも、これあると思うんですよね~~??