へくしっ!!

小さくくしゃみをして、俺の腕の中にまあるくなって擦り寄ってくる。

もぞもぞ。とシャツに鼻先をすりよせると、腕も脚もぴっとりと絡ませてくる。


ぎゅ。っと抱き締めてやると、安心したようにふたたび安らかな寝息を立てはじめる。


エアコンの設定温度を18度にして、一年中冬用布団にくるまらないと眠れなかった俺の恋人は、
俺が抱き締めてやることで包まれている感があるのか、夏用の布団でも眠れるようになった。

俳優と言う仕事柄、喉に悪いだろ?

と、設定温度も27度設定にするようになった。



眠りにつくときは適温だけれど、夜中についついむらむらしてしまって、まおの手を伸ばすと
激しく燃え上がってしまう。

ベッドに入ろうとすると、薄着になったまおが、ベッドに寝転んでいる。

胸も太ももも露にして。

そりゃあ、触れたくならないほうがおかしいでしょ??



最初はねむい~~。とかって文句を言っているまおだけれど、10回目のキスぐいらいから
吐息があがってくる。

自分から腕を伸ばすようになる。

瞳が眠気ではない、とろんと潤んだ瞳になってくる。



抱き合う最中に「やっぱ、暑いわ。」ってエアコンの温度をさげたまま、抱き合ったまま眠る。


火照ったカラダと、まおの体温ですっごく適温で心地よいのだけれど・・・。



いつも、朝には後悔する。


「また、温度戻すの忘れてたなー・・・・。」


腕にまおを抱きながら、リモコンのスイッチをさぐる。

床にずり落ちてしまった夏布団をひっぱりあげて、まおごとくるんと包み込む。


夏の夜は忙しい。


それでも、この布団の調整やらエアコンの設定温度やら、の手間がたまらなく愛おしい。


「さあ、もうひと眠りするか・・・。」


すやすやと腕の中で眠るまおを抱き締めて、ふたたび幸せなまどろみへと落ちるのだった。