風呂に入ると、たっぷりの湯がはられていてほんわかとした湯気に包まれて、心が癒される。
こんなふうに家に帰ってら、待っててくれる人がいたらどんなにか嬉しいだろう。
毎日、バイトをこなして山積みの課題を抱えて、コンビ二で夕食を買って帰る。
夢に向かって。とは思うけれど、日常をこなすのが必死でせっかくやりたいこと。をさせてもらっているのに、
それを楽しむ余裕すらなかったのではないか。
・・・なんか、大切なことを忘れてた気がするなー・・・。
ぽちゃん。と鼻までお湯に浸かる。
微かにコロンの香りが鼻をつく。
・・・もしかして、強すぎない自然な香りは、風呂に香りを落としているからだろうか?
渡辺さんの香りだ。ということに気がついてしまうと、急に全身を包まれたような気分になって、かあぁ。と全身が火照る。
ついさっきまで、このお風呂に入ってたんだよね・・・。
このシャンプーで髪の毛を洗ったんだよね。
このボディスポンジでカラダを洗ったんだよね・・・。
意識し始めると、止まらない。
ほどよい加減の湯が、全身にまとわりつくのが、彼の体温だとさえ思えてくる。
溢れ出す想いを閉じ込めるように、ぎゅうっと膝を抱き寄せて、膝の間に顔を隠す。
そうしていないと、どんどん熱があがってしまって止まらなくなりそうだったから。
きちんと並べられたボトルと、丁寧に畳んで壁にかけられたタオルが彼の性格を表している。
もしかしたら。
真面目な性格が、困っている俺を放っておけなくて助けてくれただけなのかも。
たまたま隣に住んでるのが俺だっただけで、これが可愛い女の子とかだったらあっと言う間に恋に落ちて
今頃はベッドインとかのシュチュエーションになっているのかもしれない。
今更そんなことを考えても仕方がないのだけれど。
肌質こそ綺麗で透明感のある陶磁器のような白だけれど、やわらかな胸は存在しない。
男として、ならば貧弱とまではいかないけれど、渡辺さんに比べると随分と薄っぺらくて頼りないカラダ。
毎日、生きてゆくのが必死で、自分の立ち位置さえ模索している俺。
予定外のハプニングに舞いあがっていたけれど、やっぱり釣り合わない。よなー・・・。
彼に愛されるような要素は何ひとつもっていないのだから。
話さなければよかったのかも。
ただ見詰めているだけならば、好き。という気持ちは熱烈な憧れ以上になることはなかった。
でも意外な彼の素顔や、豊かな表情を見てしまった今は、もっともっと近づきたい。
もっともっと彼のことを知りたい。
願わくば、トクベツな存在になりたい。と欲がでてくる。
島津は、当たって砕けろ。砕けるとは限らないだろ?と言っていたけれど、
当たらなければ友人としての立場ならばもしかして手にいれられるのかも。という欲もでてくる。
せっかく優しくしてくれたのに、親切を仇で返すような告白なんてできない。
ならば、せめて邪魔にならないように側にいさせてほしい。と思う。
ささやかな願い。を胸に、未練たっぷりに風呂場を後にした。
こんなふうに家に帰ってら、待っててくれる人がいたらどんなにか嬉しいだろう。
毎日、バイトをこなして山積みの課題を抱えて、コンビ二で夕食を買って帰る。
夢に向かって。とは思うけれど、日常をこなすのが必死でせっかくやりたいこと。をさせてもらっているのに、
それを楽しむ余裕すらなかったのではないか。
・・・なんか、大切なことを忘れてた気がするなー・・・。
ぽちゃん。と鼻までお湯に浸かる。
微かにコロンの香りが鼻をつく。
・・・もしかして、強すぎない自然な香りは、風呂に香りを落としているからだろうか?
渡辺さんの香りだ。ということに気がついてしまうと、急に全身を包まれたような気分になって、かあぁ。と全身が火照る。
ついさっきまで、このお風呂に入ってたんだよね・・・。
このシャンプーで髪の毛を洗ったんだよね。
このボディスポンジでカラダを洗ったんだよね・・・。
意識し始めると、止まらない。
ほどよい加減の湯が、全身にまとわりつくのが、彼の体温だとさえ思えてくる。
溢れ出す想いを閉じ込めるように、ぎゅうっと膝を抱き寄せて、膝の間に顔を隠す。
そうしていないと、どんどん熱があがってしまって止まらなくなりそうだったから。
きちんと並べられたボトルと、丁寧に畳んで壁にかけられたタオルが彼の性格を表している。
もしかしたら。
真面目な性格が、困っている俺を放っておけなくて助けてくれただけなのかも。
たまたま隣に住んでるのが俺だっただけで、これが可愛い女の子とかだったらあっと言う間に恋に落ちて
今頃はベッドインとかのシュチュエーションになっているのかもしれない。
今更そんなことを考えても仕方がないのだけれど。
肌質こそ綺麗で透明感のある陶磁器のような白だけれど、やわらかな胸は存在しない。
男として、ならば貧弱とまではいかないけれど、渡辺さんに比べると随分と薄っぺらくて頼りないカラダ。
毎日、生きてゆくのが必死で、自分の立ち位置さえ模索している俺。
予定外のハプニングに舞いあがっていたけれど、やっぱり釣り合わない。よなー・・・。
彼に愛されるような要素は何ひとつもっていないのだから。
話さなければよかったのかも。
ただ見詰めているだけならば、好き。という気持ちは熱烈な憧れ以上になることはなかった。
でも意外な彼の素顔や、豊かな表情を見てしまった今は、もっともっと近づきたい。
もっともっと彼のことを知りたい。
願わくば、トクベツな存在になりたい。と欲がでてくる。
島津は、当たって砕けろ。砕けるとは限らないだろ?と言っていたけれど、
当たらなければ友人としての立場ならばもしかして手にいれられるのかも。という欲もでてくる。
せっかく優しくしてくれたのに、親切を仇で返すような告白なんてできない。
ならば、せめて邪魔にならないように側にいさせてほしい。と思う。
ささやかな願い。を胸に、未練たっぷりに風呂場を後にした。