手首をつかまれたまま、部屋に入る。
いつも眺め続けていた背中が、いつもより近い。
シーツの皺や、体温さえも感じそうな距離に大好きな背中がある。
摑まれた手首の熱さよりも、視界を占める背中にドキドキする。
振りほどくことも忘れて、足だけで器用に靴を脱ぎ、きちんとそろえなきゃ。って考えるよりもこのままずうっと繋いでいてほしい。という願望のほうが勝ってしまって・・・。
・・・というよりも、背中から視線をはずすことができなかったんだ。
「どうぞ。」
渡辺さんの声で、やっと自分がソファの前に立ち、座るように勧められていることに気がつく。
「あ・・・。ありがとうございます。」
渡辺さんの手が、するり。とほどかれる。
今までつかまれていたことなんて忘てたのに、離れた瞬間にひや。と冷たさを感じる。
・・・おかしいな。夏なのに。
もう、自分でもわかっている。
これは物理的な冷たさではなく、心が感じている寂しさだということを。
「ちょっと、待ってて。風呂見てくるから。」
ビジネスバックを椅子に置き、時計を外し、テーブルに置く。
腕まくりをして、靴下を脱ぐ。
ヒトツヒトツの動作から目が離せない-------。
渡辺さんの動きのヒトツヒトツが、胸をきゅんと締め付ける。
だって、彼の背中だけが俺の知っている全てだったから・・・。
バスルームに消えてゆく彼の背中を見送りながら。
つい先程見た白いシャツから覗く初めて見る逞しい腕だとか。
がっしりしているのに綺麗なラインを描く足首の骨のでっぱった感じだとか。
同級生のように発展途上な肉体とも、父親のように少しくたびれた感じとも違う・・・。
完成されたしなやかで美しい大人の色気。というものに毒されていた。
「やばいよ・・・。これ・・・。」
ドキドキしすぎる。
息が苦しい。
呼吸困難に陥りそうだ。
そう思って、深く息を吸い込むと・・・・。
時々、気紛れにふわ。と香ってた渡辺さんの香りが胸いっぱいに吸い込まれて。
「どーしよー・・・。」
本気の本気で、恋、じゃんか・・・・。
いつも眺め続けていた背中が、いつもより近い。
シーツの皺や、体温さえも感じそうな距離に大好きな背中がある。
摑まれた手首の熱さよりも、視界を占める背中にドキドキする。
振りほどくことも忘れて、足だけで器用に靴を脱ぎ、きちんとそろえなきゃ。って考えるよりもこのままずうっと繋いでいてほしい。という願望のほうが勝ってしまって・・・。
・・・というよりも、背中から視線をはずすことができなかったんだ。
「どうぞ。」
渡辺さんの声で、やっと自分がソファの前に立ち、座るように勧められていることに気がつく。
「あ・・・。ありがとうございます。」
渡辺さんの手が、するり。とほどかれる。
今までつかまれていたことなんて忘てたのに、離れた瞬間にひや。と冷たさを感じる。
・・・おかしいな。夏なのに。
もう、自分でもわかっている。
これは物理的な冷たさではなく、心が感じている寂しさだということを。
「ちょっと、待ってて。風呂見てくるから。」
ビジネスバックを椅子に置き、時計を外し、テーブルに置く。
腕まくりをして、靴下を脱ぐ。
ヒトツヒトツの動作から目が離せない-------。
渡辺さんの動きのヒトツヒトツが、胸をきゅんと締め付ける。
だって、彼の背中だけが俺の知っている全てだったから・・・。
バスルームに消えてゆく彼の背中を見送りながら。
つい先程見た白いシャツから覗く初めて見る逞しい腕だとか。
がっしりしているのに綺麗なラインを描く足首の骨のでっぱった感じだとか。
同級生のように発展途上な肉体とも、父親のように少しくたびれた感じとも違う・・・。
完成されたしなやかで美しい大人の色気。というものに毒されていた。
「やばいよ・・・。これ・・・。」
ドキドキしすぎる。
息が苦しい。
呼吸困難に陥りそうだ。
そう思って、深く息を吸い込むと・・・・。
時々、気紛れにふわ。と香ってた渡辺さんの香りが胸いっぱいに吸い込まれて。
「どーしよー・・・。」
本気の本気で、恋、じゃんか・・・・。