小さなピクニックテーブルをだして、キンキンに冷えた缶ビールをコトリ。と二つ並べる。
夏特有のねっとりとした湿気を含んだ空気が、通り抜けて行く。
七夕の星観会。の準備をしていると、じわり。と汗ばむぐらいだ。
「・・・ま~おっ。あと、何がいる?」
「んー・・・。枝豆もあるし、干物系もあるから、これぐらいでいいんじゃない?」
ベランダの窓をからり。と開けて大ちゃんが顔をのぞかす。
「ほらほら。それより、ここ座って?」
「・・・・ああ。」
隣に座ってくれた大ちゃんにちょっとだけ寄りかかって、
カラーインクを溶かしたような透明なブルーから、ゆうるりと濃藍にと染まってゆく空を見上げる。
「今日も一日、お疲れ様。側にいれくれて、ありがと。」
「まおもお疲れ。俺のほうこそ、毎日お前に癒されてるよ。ありがとな。」
ぷしゅ。と缶ビールのプルトップを開け、カツン。と乾杯する。
七夕。というシュチュエーションを考えれば、お洒落に琥珀色のシャンパンというのもロマンチックだけれど。
大ちゃんと二人で飲むならば、こんな飾らない乾杯もいい。
こうやってちょこっと肩に大ちゃんの体温を感じながら呑む時間が、一日の中で一番安心する時間。
濃藍に染まりゆく空に、ぼんやりと白く輝く帯が流れ始める。
「・・・・ほら。まお。天の川。」
「・・・ほんとだ・・・。」
僕の肩を抱いた大ちゃんが、空を指さす。
低く響く声が、もたれた大ちゃんの胸郭を通して僕の腕に伝わってくる。
キラキラ。キラキラ。
夜空を流れる天の川から、星のカケラがこぼれるように流れ落ちる。
僕たちを優しく包み込む光。
ふ。と大ちゃんの横顔を眺めると、大ちゃんの瞳がキラキラと輝いていた。
「・・・綺麗・・・。」
「・・・ああ。」
空を見あげていた大ちゃんが、ふ。と僕に視線を落とす。
「綺麗だよ。大ちゃん。」
今度はしっかりと瞳を見詰めてそう伝える。
「・・・俺?まおのほうこそ。・・・なんか、お前って、星にさえ好かれるんだな。」
クスっと、愛おしそうに、眩しそうに大ちゃんが笑う。
「綺麗だよ。まるで、星がまおのことを慕って寄ってきてるみたいだ。」
夏特有のねっとしていて、それでいてわくわくするような夜の空気。
あたりがすっかりと闇に包まれる頃、ぼんやりと優しい光に包み込まれる。
「・・・何?これ・・・。うわっ!!すっげー・・・。」
「ふふふ。びっくりした?」
まるでイルミネーションで飾ったように、ペリドットのような淡いグリーンの光が埋めつくす。
大ちゃんが予想以上に反応してくれていることが嬉しい。
「どうしたんだ?これ?」
「んー・・・。魔法を使ってみました。」
「・・・そっかあ。お前、そういえば護星天使だったもんな。」
「そうそう。僕からの大ちゃんへのささやかなプレゼント。」
空から零れ落ちてくる天の側の光と、地上からの宝石の光。
「・・・ほら。簡単に捕まえられるでしょ?」
「・・・そうだな。」
そっと指先を伸ばせば、指先が淡く光る。
「寂しくなったらこの星空を思い出してね。僕は、すぐ手の届くところにいるから。」
指先の光を、大ちゃんの手の甲の血管に沿って滑らせて行く。
すうっと一筋の光が、天の川のように光る。
「・・・そうだな。何度だって、今日の日を思い出すよ。・・・ところで・・・まお。」
そうだな。といいながらも、どうやったの??って目の奥が語りかけてくる。
「単純だよお。暗くなると発光する蛍光塗料を、星に見立てて撒いてみただけ。」
「・・・なるほど・・。うん。でも、なんか星に願いをかけるより、スッゲー説得力あったわ。」
ふたたび肩を抱き寄せられ・・・・。
ふんわり。とあたたかい唇が降りてきた。
夏特有のねっとりとした湿気を含んだ空気が、通り抜けて行く。
七夕の星観会。の準備をしていると、じわり。と汗ばむぐらいだ。
「・・・ま~おっ。あと、何がいる?」
「んー・・・。枝豆もあるし、干物系もあるから、これぐらいでいいんじゃない?」
ベランダの窓をからり。と開けて大ちゃんが顔をのぞかす。
「ほらほら。それより、ここ座って?」
「・・・・ああ。」
隣に座ってくれた大ちゃんにちょっとだけ寄りかかって、
カラーインクを溶かしたような透明なブルーから、ゆうるりと濃藍にと染まってゆく空を見上げる。
「今日も一日、お疲れ様。側にいれくれて、ありがと。」
「まおもお疲れ。俺のほうこそ、毎日お前に癒されてるよ。ありがとな。」
ぷしゅ。と缶ビールのプルトップを開け、カツン。と乾杯する。
七夕。というシュチュエーションを考えれば、お洒落に琥珀色のシャンパンというのもロマンチックだけれど。
大ちゃんと二人で飲むならば、こんな飾らない乾杯もいい。
こうやってちょこっと肩に大ちゃんの体温を感じながら呑む時間が、一日の中で一番安心する時間。
濃藍に染まりゆく空に、ぼんやりと白く輝く帯が流れ始める。
「・・・・ほら。まお。天の川。」
「・・・ほんとだ・・・。」
僕の肩を抱いた大ちゃんが、空を指さす。
低く響く声が、もたれた大ちゃんの胸郭を通して僕の腕に伝わってくる。
キラキラ。キラキラ。
夜空を流れる天の川から、星のカケラがこぼれるように流れ落ちる。
僕たちを優しく包み込む光。
ふ。と大ちゃんの横顔を眺めると、大ちゃんの瞳がキラキラと輝いていた。
「・・・綺麗・・・。」
「・・・ああ。」
空を見あげていた大ちゃんが、ふ。と僕に視線を落とす。
「綺麗だよ。大ちゃん。」
今度はしっかりと瞳を見詰めてそう伝える。
「・・・俺?まおのほうこそ。・・・なんか、お前って、星にさえ好かれるんだな。」
クスっと、愛おしそうに、眩しそうに大ちゃんが笑う。
「綺麗だよ。まるで、星がまおのことを慕って寄ってきてるみたいだ。」
夏特有のねっとしていて、それでいてわくわくするような夜の空気。
あたりがすっかりと闇に包まれる頃、ぼんやりと優しい光に包み込まれる。
「・・・何?これ・・・。うわっ!!すっげー・・・。」
「ふふふ。びっくりした?」
まるでイルミネーションで飾ったように、ペリドットのような淡いグリーンの光が埋めつくす。
大ちゃんが予想以上に反応してくれていることが嬉しい。
「どうしたんだ?これ?」
「んー・・・。魔法を使ってみました。」
「・・・そっかあ。お前、そういえば護星天使だったもんな。」
「そうそう。僕からの大ちゃんへのささやかなプレゼント。」
空から零れ落ちてくる天の側の光と、地上からの宝石の光。
「・・・ほら。簡単に捕まえられるでしょ?」
「・・・そうだな。」
そっと指先を伸ばせば、指先が淡く光る。
「寂しくなったらこの星空を思い出してね。僕は、すぐ手の届くところにいるから。」
指先の光を、大ちゃんの手の甲の血管に沿って滑らせて行く。
すうっと一筋の光が、天の川のように光る。
「・・・そうだな。何度だって、今日の日を思い出すよ。・・・ところで・・・まお。」
そうだな。といいながらも、どうやったの??って目の奥が語りかけてくる。
「単純だよお。暗くなると発光する蛍光塗料を、星に見立てて撒いてみただけ。」
「・・・なるほど・・。うん。でも、なんか星に願いをかけるより、スッゲー説得力あったわ。」
ふたたび肩を抱き寄せられ・・・・。
ふんわり。とあたたかい唇が降りてきた。