ソファでゴロゴロくつろいでいると、まおの厳しい声が飛ぶ。

「あーっ!!大ちゃんまた耳触ってるっ!!駄目でしょっ!いつまで経っても治らないよっ!?」
「だって、かいーんだよ。治りかけってのは。」

「また振り出しに戻っちゃうでしょっ!!そんなことする子には、もう耳かきしてあげないからねっ!」
「・・・や。それは困る・・・。」


週に一度のお楽しみ。ってヤツでまおに耳かきをしてもらっていたのだが。

あまりにもまおの膝枕が心地よいのと、耳たぶを触る指先とか、ふっと息を吹きかけられる感じとかが、
まあ。アレだ。そっち方面も刺激するぐらいやみつきになってしまった。

なので、最近では毎日のように耳かきをしてもらっていたら、どうやら傷がついてしまったようだ。
耳から血がでてきたり、得体の知れない汁がでてきたり・・・。

まおに言うと、怒られるから内緒にしていたのに。


「あれ?そういえば急に耳かきしてっ。って言わなくなったねえ?大ちゃん。」
「・・・ん?あ?ああ・・・。」


俳優を生業にしているとは言え、まおの前では自分を取り繕えない俺。

あっと言う間に挙動不審がばれて。

「なんか、あやしーっ!!ちょっと、ここにゴロンしてっ!!」
「・・・や。え?あ。うん・・・。」

ぽんぽんと正座した膝をたたかれて、

うおーっ!!!とおっても魅力的なんですけどっ!!
今はそこにごろん。と甘えられない理由があるんですーっ!!!

「・・・大ちゃん?おれの膝がそんなに嫌なの?」

どうしよーっ!!ってオタオタしてると、くすん。と鼻を鳴らしてまおが瞳をうるうるさせる。

おまっWそれ、絶対に確信犯だろーっ。

「・・・できないの?」

膝の上で両手をぎゅっと握り締めて、ちょこっと小首を傾げられて。


-----------ヤバイ。落ちました。

怒られるのも弱いけど、このうるうる攻撃はマジに弱いっす。


「・・・・まお。怒るなよ?」
「・・・なあに?怒るようなことしてんの?外で女作って、してもらってたとか?」
「・・・っな。訳ねーだろっ!!」

ごろん。と寝転びかけて、まおがとんでもないことを言い出すから、ガバッ!!とまた起き上がる。


「いたっ!!!」


ゴッチーン。と勢いよくまおの顔とぶつかってしまい・・・・。

顔を抑えているまおの掌の指の間から、赤いものがぽたぽたと垂れてくる。


「わっ!!まお。鼻血っ!!ごめんっ!!」

慌ててティッシュを数十枚引っ張りだし、まおの顔に当てる。


「だいちゃ・・・。ティッシュ多すぎ・・・。」

まおの顔がすっぽり隠れてしまうぐらい真っ白なティッシュで覆いつくされる。

「ん?あ?ああ・・・。そうだな。」

俺としたことがっ。ついつい焦って勢いあまって引っ張り出してしまったが。
3枚もあれば十分だよな。


「大丈夫か?まお。ほんっとごめんな??」
「・・ほんと、災難だよ。」

鼻血を垂らしながら、きっ。と睨みつけるまおの目も・・・。
かわいいっ!!
んだけど、今はそうそう浮かれてもいられない状況だ。


鼻血なのに、なぜか背中をさすさすさすりながら、頭をなでなでする。


耳かきもうしてあげません。宣言に浮気疑惑宣言なんて、たまったもんじゃない。
・・・やっぱ、隠し事はしないに限るなー・・・。


「あのさあ。実は耳かきしすぎたみたいで耳から血がでてんの。だから治るまでしばらく我慢。って思って・・・。」
「えーっ!そうなの?じゃあ、しっかり治るまでは禁止だねっ!!」


ティッシュを握り締め、ちょこっと鼻血のついたままの顔で、まおがずいっと迫ってくる。


「・・・ね?大ちゃん。」
「はい・・・。」


そんなこんなで封印された娯楽のヒトツ。


でもさあ。

「ま~~お~~。膝枕だけならいいんじゃない?」
「だーめっ!!お膝にごろんってしたら、してほしくなるんでしょ?」


「じゃあ、膝枕のまま、アソコにちゅ。でもいいから~~~。」
「・・・ばっかじゃないのっ!!」


あり?怒らせちゃった。


おねだり失敗。


うー・・・。でも、膝枕ぐらいいいじゃんか~~~。


ま~~お~~~。



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トリゾで、がっつり耳の穴にまで指を突っ込んでほじほじしてたよねWW大ちゃん。

私もリアル経験者なのでわかるのですが、耳かきしすぎて治りかけのときって、すっごくかゆいのです。

二十歳の頃からのおつきあいーで、耳かきがストレス解消なのでやめられず、常にステロイドを塗りながらしていますWW
ほんっと、お酒もタバコもなくても平気だけど、これだけは中毒のようにやめられないんだよね~~。