おうちに帰って、大ちゃんがコーヒーを入れてくれている間に、こっそりと枕の下からBDカードを取り出す。

本当は、すぐにでも見たかったんだけどね。
結局ずっと一緒にいたから、なかなか見れなかったんだ。

だって、取り出そうとするたびに

「わっ!!後でっつったろ?」

って、大ちゃんにまた枕の下に隠されちゃったんだもん。
・・・・ま、その反応があまりにも面白いから、わざと何回もやったんだけどね。


パラリ。とカードを開けると、流れるような大ちゃんの美しい文字が飛び込んできた。


「23歳の誕生日おめでとう。

まおがこの世に生まれてくれたことに。
巡りあってくれたことに。
愛し合えることに、感謝して。

今年もよろしくな。

               渡辺  大輔」


たった5行の言葉だったけれど、すっごくすっごく嬉しかった。


「だいちゃーんっ!!ありがとっ!!」

コーヒーを入れている背中に、ぎゅううっと抱きつく。

「わっ、お前危ないな~~。火傷するぞ?・・・あーっ!!こっそり見ろって言ったのに。」

おれの手の中のカードを見て、照れる大ちゃん。

「・・・でも、いっつもこれ以上のこと、いっぱい言ってもらってるよ?」
「なんか、文字にすると恥ずかしいんだよ。」

「そうなのーっ!?今までのぶんも全部あるよっ!?見る?見る??
もう、胸きゅんしまくりだよーっ!!おれなんか、引き出し開けるたびに読み返してるよっ!!」

「わーっ!!願いだから、それはやめてWWまおちゃん。」

引き出しをがばーっと開けようとするおれを慌てて止めてくる。



貴方と過ごす日常の中に、僕の誕生日が存在する。



特別なことは、何もいらない。



ただただ。



こんな幸せな毎日が続きますように。



と、心の中で願うのでした。



明日も、あさっても、来年の誕生日も。



今日と変わらず貴方と愛しあえますように。