「なあ。まお。誕生日になんか欲しいもんある?」
「んー・・・・。じゃあ、その日一日何でも言うこと聞いてくれる。ってのは?」

んー・・・。と一生懸命考えていた割には、期待にそぐわない返事。

「そんなの・・・。いつもじゃん。」
「・・・え?なにっ!?」

「や。何でもありませーんっ。」

よっぽど、これは無理っていうお願いじゃない限り、なんでもまおの願いを叶えてやっている。と思う。
・・・・と、ゆーか、これは絶対に無理。というお願いは、絶対にしてこない。


んな、無茶ぶりな。って思うようなわがまま。を発動するときもあるけれど、
それだって、結局は甘えているだけで。

「だいちゃーん。花火したい。」
「えっ!?今からっ!?この時期にっ!?」

白い息を吐くような季節のときに、夜中に急に言い出したりとか。
夜中に物置をゴソゴソあさって、夏の残りものの花火をびゅーびゅー吹き付ける海風の中で、
夜中に二人っきりでしてみたりとか。


「だいちゃーん。あわあわのお風呂の入りたい。・・・あ、できれば薔薇の花びらもあったら嬉しいな。」

なんて、急に言い出して。
遅くまで空いている花屋さんと、バブルバスキューブを売っている雑貨屋さんを探して走りまわったりだとか。


時々、こういうわがまま。を発動して、自分が愛されてるんだなあ。
って確認しているのも感じ取れるから。


ついつい、甘くなってしまう。


それに、わがままを聞くために努力した分を差し引いてもおつりがくるぐらい。


「わあっ!!大ちゃん、ありがとーっ!!!大好きっ!!」


って、満面の笑みで微笑んで、抱きついてきてくれるのだ。



「・・・・なんでもいいよ。大ちゃんが、おれのことを思って、選んでくれるプレゼントなら、何でも嬉しい。」


んーーーーーーっ!!

と、必死に考えて、

「じゃあ、一日中抱き締めてくれるとかは?」
「まおのこと、大好き。って一分ごとに言ってくれるとかは??」

ってどれもこれも、いつもしてるじゃんWWって返事しか返ってこなくて。


結局、そんなところに落ち着いた。


・・・まあ、

プレゼントを選ぶ時間も楽しいんだけど。



もっと、欲だしておねだりしてくれてもいいのになーっ。


大ちゃんだって、ちょっとはビッグになったんだぞ??