もういいだろうっ!!

ってぐらい降り続く雨。

ひんやりぐっずを大量に買い込んで、ぴっとりくっついて寝れるように。なんて工夫をしていた日々はどこへやら。
何日もお天道様を拝んでいない日々は、すっかりと気温まで下がってしまう。

それでも、ぴっとり。とくっついて寝るには適温だな。とか言いながら二人でベッドにもぐりこむ。


もぞもぞ。もぞもぞもぞ・・・。

いててっ。

どっしーんっ!!!


腹の下に無理やり何かが入り込んでくる感触があるなあ。と思いながらがらもうとうとしていたら、
背中を思いっきり打ちつけた感触で目が覚めた。

「いって~~。」
「あ。ごめんっ。大ちゃん。」

胸の上には・・・まお。

「そんなにぐいぐい押したら落ちるだろーっ!!」
「・・・だって、寒かったんだもん。大ちゃんの下にもぐりこんだら、あったいかなあ?なんて。」

えへ。って感じで悪びれずに胸の上でまおが笑う。

「お前なあ。寒かったら布団出せよ。」
「え~~。やだあ。面倒臭い。それに、眠かったし・・・。」

「起こせばいいだろ?布団とって。って・・・。」
「お布団よりも大ちゃんのほうがあったかそうだし~~。」

すりすりと上に乗っかったまま鼻先をこすりつけてくる。

「ううっ。寒いから、大ちゃん上になって?」
「俺が人間布団になったら、まおなんてぺしゃんこだぞ?こんな細いのに。」

きゅ。と引き締まった小さいお尻とすらっと伸びた太ももを撫でる。

「ん~~。だって、大ちゃん布団気持ちいいんだもん~~。」
「わかったよ。でも、このままだと風邪ひくからな。ちゃんと布団かけて、抱きしめててやるから。」

わがままなお姫様を抱き上げて、ベッドに戻して。
なんだか、ツバメの雛みたいだな・・・。お前。
巣から落ちて、戻してやって。

布団をクローゼットから出してきて、
寒いよ~~。と手足をバタバタしているお姫様にかけてやる。

「・・・ほら。」
「んふふ・・・。」

腕を伸ばして、胸の中に閉じ込めてやれば、まおが満足そうに微笑んでふうっ。と大きく息を吐く。

「やっぱ、落ち着く~~。」

ぎゅうっと抱きついてくるまおを抱き締めながら、親鳥気分も悪くないなぁ。なんて思う。


「これで、安眠できるよっ。大ちゃん。おやすみなさーいっ・・・・。」

キスをしかけてやろうと思ったときには、すでにすうすうと気持ちよさそうに寝息を立てていて。

ああ。忘れていた。

お姫様は、12時を過ぎれば眠りに落ちてしまうシンデレラだったな・・・。


「おやすみ。まお。いい夢見ろよ?」


ざあざあと降りしきる雨の音。

外は大荒れの天気だけど、お前といれば怖くない。