「浴衣を着たくなったのは、いつですか?」

そんな質問に頬が緩む。


なんとなく、友達と恋心の区別がつきはじめた中学3年の頃。

それまでは、部活一筋であんまり考えたこともなかった。

お洒落だって、カッコイイ先輩の真似をする。といった感じで、特に女の子からもてたい。とか思ってしていたわけじゃないし。

でも、インターハイで部活を引退して、友人の何人かが彼女を作りだして。


「なんか、いいなあ・・・。」

特に、この子。という特定の好きな子がいたわけじゃないけれど、学校帰りに一緒にマックに寄り道したり。
放課後に図書室で一緒に勉強したり。

そういうデート?というものに憧れみたいなものを抱き始めた。


花火大会の時期がきて、毎年一緒に行っていた友達に彼女ができてしまって、それでも「一緒に行く?」と誘ってくれて、3人ででかける。ということになった。

友達は気合を入れて、浴衣なんか着込んじゃて、彼女も浴衣を着てきて。
浴衣を着るだけで、学校で見る二人とはなんだか違って見えて羨ましかった。

「いつか、僕も浴衣着て彼女とデートしたいなあ・・・。」

そんな恋に恋する恋心。が芽生えたことを覚えている。


具体的に、この人と。って思う人が現れたのは。


芸能界に入ってすぐに出会った大ちゃんだったんだよ?




「恋心が芽生えた頃に浴衣を着たいな。って思ったのを覚えていますね。」

ちら。と隣でインタビューを受けている大ちゃんに視線を送る。

「へえ。そうなんだあ。」

って感じて聞いてるけど。


んふふ。


なんだか、懐かしいね。


なんか可愛いなあ。あの頃の僕。


浴衣姿を大ちゃんに見てもらいたいなあ。


なんて、淡い・淡い恋心を抱いていた16歳の僕。




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切ないお話が続いた(これからも続く)ので、ほんわかするお話をヒトツ(笑)

キャストサイズの夏の特大号より。です^^