「おっかえりなさ~いっ!!」
「わわわっ。びっくりしたわ。」

玄関のドアを開ける音が聞こえると同時に玄関まで走っていって、大ちゃんに飛びつく。
ああ。数日振りのこの抱き心地と、香り。

「ねねね。お仕事楽しかった?ログハウスみたいなとこだったね~~。いいな~~。」
「ああ。雰囲気いいロケ地だったぞ。今度はまおと一緒に行こうな。」

靴を脱ぎ脱ぎする大ちゃんの首につかまったまま、キスをする。

「わあっ。ありがと~~。・・・ねえ、抱っこ。」

両手を塞いでいる荷物を受け取って、しっかりと抱きしめてもらう。
離れていた時間を埋めるように。

「・・・ただいま。まお。」
「うん。おかえり。大ちゃん。」

抱きしめあって、やっとここにいるんだ。って実感できて、抱き合ったまま「ただいま。」の言葉をもらう。
本当は、これだけで十分なんだけどね。

「ほら。まお。お土産。」

大ちゃんから受け取った荷物の中から、ずっしりと重たい紙袋を受け取る。

「ワインファームで作られたんだって。」
「へえ。そうなんだあ。」

最近ワインにはまっているのを知っていて、こういうセレクトをしてくれるのが、嬉しい。

「それと、定番だけど、とちおとめ。潰れてないといいけど・・・。」

もうヒトツの紙袋からは、甘い香りがして、つやつやとルビー色に輝くいちごが入っていた。

「わあっ。じゃあ、デザートにいちご食べて、夜はワインで乾杯だねっ!!」
「・・・もちろん、その後に・・・。」

ぎゅ。と腰を抱き寄せられ、頭の芯まで蕩けるようなキスをもらう。

「んっ・・・。んんっ・・・。あっ・・・。」

待ちわびていたこの感触。
ゆっくりと大ちゃんの唇が離れることには、息もあがってしまっていて。
身体の中の熱も、すっかり上がってしまっていて。

大ちゃんの腰を抱き寄せて、胸にこつん、と頭をあずける。
恥ずかしくて、顔があげられない。

「・・・ねえ。大ちゃん。先に・・・。でも、いい・・・?」
「・・・もちろん。」

「わっ・・・あっ・・・。」

ふわっ。と身体が軽くなったかと思うと、軽々と抱き上げられて、寝室まで運んでくれる。

「だいちゃ・・・。」
「ん?」

「・・・大好き・・・」
「・・・ああ。俺も。」

大ちゃんの首にしがみつきながら、ゆらゆらと揺れる心地よさ。
短くカットした髪の毛がかかる首筋の筋肉と血管と香り。
ドキドキと鼓動が伝わってしまっているだろうおれの全てを受け止めてくれる広い胸。

何よりも、抱き上げてくれている腕の力強さと、ぬくもりに胸がいっぱいになって・・・。

そっと、大ちゃんの耳元に。

告白をした。


やっぱり、大好き。