「・・・・これって・・・?」
見つけてはいけないものを見つけてしまった。
大ちゃんのシャツを洗濯しようと思って、ポケットを探ったら固い感触が指先に当たった。
取り出してみれば、キャバクラ?のお店のナンバーの入ったライター。
「やっぱり、オトコの子のおれでは、満足してなかったってこと?」
毎日愛し合っているのだから、欲求不満なんてことはないはず。
大ちゃんがくれる優しい眼差しも、愛の告白も作り物じゃない。
・・・でも、やっぱりあったかくて、ふわふわしてる女の子のほうがいいんだあっ!!
オトコの生理的欲求の部分では、やっぱり、やっぱりそうなんだあっ!!!
ガーン。ショック。
・・・そうだよえ。
だって、もともと大ちゃんは女の子が好きだったわけだし。
・・・いや。
おれだってオトコが好きな訳じゃないけど、初めて身体を重ねあったのが大ちゃんだったから、
疑問を持たずにきてしまっただけなのだ。
でもっ!!でもっ!!!
心が繋がっていても、浮気じゃなくても、やっぱり嫌だよおおお。
えいっ!!
とライターをゴミ箱に投げ捨ててから、ぐっちゃぐちゃにシャツを丸めて洗濯機に放りこむ。
これでもかっ!!
ってぐらい、洗剤を投入して、念入りコースを連打する。
・・・あ。連打しても、洗う時間は一緒だった。
よーしっ!!こうなったら、漂白剤に、香りつけの柔軟剤にっ!!!
このシャツを着て、そういうお店に行ったのか。と思うと、むらむらと腹が立ってきて、痕跡すら残さないぐらいにピッカピカにしてやろう。と思う。
「ふう・・・。」
回り始めた洗濯機を眺めて、ため息をつく。
「やっぱ、これはおしおきだなっ。」
先ほど、投げ捨てたライターをもう一度拾う。
だって、泣き寝入りなんて悔しいじゃないか。
大ちゃんが帰ってきた。
不審な動きはないか?と探りを入れるけれど、いつも通りの大ちゃん。
くーっ!!ムカツク。
きっと、後ろめたいとか思ってないんだ。
「大ちゃん。おかえりい。今日は、駅前にオープンしたケーキ屋さんのシュークリームを買って来たんだよ。」
「へえ。楽しみだな。」
大ちゃんの上着を受け取って、ポケットを探る。
・・・今日は、何にも入ってないや。
いやいや。もしかしたら、いきつけのお店で、もう番号覚えてて、空で連絡が取り合えるとかっ!!
ホストの反対だよね??
勤務時間外もマメに連絡取ったりするんだよねっ!!
「ほら~~。おいしそうでしょ?」
「ほんとだ。うまそっ!!」
大ちゃんが、シュークリームを大きな口でほお張るのを、心の中でニヤリ、としながら見守る。
だって、それはお仕置きシュークリームなんだもんね~~。
「・・・!!!!!!まおっ。水っ!!!」
「はい。お水。」
糖分ゼロの炭酸水を渡す。
「・・・苦っWW」
「そーお?ただの炭酸水だよ?お酒割る用の。」
「フツーの水でいいんだよっ。水でっ。」
「あっ。ごめんねえ?」
目を白黒させて、百面相している大ちゃんが小気味いい。
そうだ。そうだ。
おれに内緒で、遊んだりするから、こういう目にあうんだからねっ!!
「ケーキ屋さん、笑いのネタで、こんなの売ってるの?」
「な、わけないでしょ?濃厚であまーいクリームたっぷりで、すっごく美味しかったよお。
大ちゃんのは、おれがクリーム抜いて、代わりにからし一本いれてみました。」
大ちゃんが、辛さに涙目になりながら睨む。
「お前、これ、なんのいじめ・・・?」
「大ちゃん、キャバクラ?のライター持ってたでしょ?洗濯するときに見つけちゃったんだからねっ!!
これに懲りて、もうお遊びはしません。って誓ってよ。」
何のこと?って感じで、小首を傾げる大ちゃん。
視線が、過去の記憶をたぐりよせるように、宙を泳ぐ。
「あーっ!!もしかして、あの時のっ!!」
「あの時の、誰?」
誰だよ。あの時のあの子。可愛かったな~。なんて、思い出してるんじゃないだろうねっ!?
「あの時の、スタッフさんだよ。タバコ吸おうとしたら、たまたま火を切らしてて。ライター借りたんだけど、そのまま撮影に呼ばれたから返し損ねてただけ。へー・・・。キャバクラのライターだったんだ。」
「大ちゃんのライターじゃないの・・・?」
「まおがいるのに、そんな店行くわけないだろ?それに、そんなわかりやすいヘマすると思うか?」
「じゃあ。内緒なら、するの?」
ちょっと、ここは意地悪をしておこう。
念には、念を入れよ。だ。
「そういう問題じゃなくて~~!!まお一人で、十分ぐらい満たされてるってこと。」
「ほんとに・・?」
「ほんと。」
ぎゅっと引き寄せられて、こつん。と額がぶつかる。
「誰かさんの勘違いで、俺は、美味しいシュークリームの変わりに、激辛しゅーを食べさせられたって訳だ。」
「・・・ごめんなさい。」
「じゃあ、おあいこでまおも食うか?からし一本入りシュークリーム。」
「ええっ。おれ、辛いの苦手~~!!!」
それは、本気で勘弁だ。
「じゃあ、ごめんなさいのキスして?」
ほら。と、睫毛が触れそうな位置にある大ちゃんの瞳が、催促する。
ドキン。と鼓動が鳴る。
ごめんなさい。じゃなくても、キスしてほしくなるような眼差し。
ドキドキと高鳴る胸の鼓動を押さえながら、ちゅ。と大ちゃんのくちびるにキスをした。
「・・・からっ。」
おれの早とちりで始まったお仕置きは、大ちゃんのくちびるに残っていたちょっぴり辛いキスでお返しがきた。
「ごめんね。大ちゃん。」
「愛してるよ。まお。」
何度も、何度もキスを繰りかえすうちに、どんどん二人の吐息が混ざり合って、甘い味になった。
見つけてはいけないものを見つけてしまった。
大ちゃんのシャツを洗濯しようと思って、ポケットを探ったら固い感触が指先に当たった。
取り出してみれば、キャバクラ?のお店のナンバーの入ったライター。
「やっぱり、オトコの子のおれでは、満足してなかったってこと?」
毎日愛し合っているのだから、欲求不満なんてことはないはず。
大ちゃんがくれる優しい眼差しも、愛の告白も作り物じゃない。
・・・でも、やっぱりあったかくて、ふわふわしてる女の子のほうがいいんだあっ!!
オトコの生理的欲求の部分では、やっぱり、やっぱりそうなんだあっ!!!
ガーン。ショック。
・・・そうだよえ。
だって、もともと大ちゃんは女の子が好きだったわけだし。
・・・いや。
おれだってオトコが好きな訳じゃないけど、初めて身体を重ねあったのが大ちゃんだったから、
疑問を持たずにきてしまっただけなのだ。
でもっ!!でもっ!!!
心が繋がっていても、浮気じゃなくても、やっぱり嫌だよおおお。
えいっ!!
とライターをゴミ箱に投げ捨ててから、ぐっちゃぐちゃにシャツを丸めて洗濯機に放りこむ。
これでもかっ!!
ってぐらい、洗剤を投入して、念入りコースを連打する。
・・・あ。連打しても、洗う時間は一緒だった。
よーしっ!!こうなったら、漂白剤に、香りつけの柔軟剤にっ!!!
このシャツを着て、そういうお店に行ったのか。と思うと、むらむらと腹が立ってきて、痕跡すら残さないぐらいにピッカピカにしてやろう。と思う。
「ふう・・・。」
回り始めた洗濯機を眺めて、ため息をつく。
「やっぱ、これはおしおきだなっ。」
先ほど、投げ捨てたライターをもう一度拾う。
だって、泣き寝入りなんて悔しいじゃないか。
大ちゃんが帰ってきた。
不審な動きはないか?と探りを入れるけれど、いつも通りの大ちゃん。
くーっ!!ムカツク。
きっと、後ろめたいとか思ってないんだ。
「大ちゃん。おかえりい。今日は、駅前にオープンしたケーキ屋さんのシュークリームを買って来たんだよ。」
「へえ。楽しみだな。」
大ちゃんの上着を受け取って、ポケットを探る。
・・・今日は、何にも入ってないや。
いやいや。もしかしたら、いきつけのお店で、もう番号覚えてて、空で連絡が取り合えるとかっ!!
ホストの反対だよね??
勤務時間外もマメに連絡取ったりするんだよねっ!!
「ほら~~。おいしそうでしょ?」
「ほんとだ。うまそっ!!」
大ちゃんが、シュークリームを大きな口でほお張るのを、心の中でニヤリ、としながら見守る。
だって、それはお仕置きシュークリームなんだもんね~~。
「・・・!!!!!!まおっ。水っ!!!」
「はい。お水。」
糖分ゼロの炭酸水を渡す。
「・・・苦っWW」
「そーお?ただの炭酸水だよ?お酒割る用の。」
「フツーの水でいいんだよっ。水でっ。」
「あっ。ごめんねえ?」
目を白黒させて、百面相している大ちゃんが小気味いい。
そうだ。そうだ。
おれに内緒で、遊んだりするから、こういう目にあうんだからねっ!!
「ケーキ屋さん、笑いのネタで、こんなの売ってるの?」
「な、わけないでしょ?濃厚であまーいクリームたっぷりで、すっごく美味しかったよお。
大ちゃんのは、おれがクリーム抜いて、代わりにからし一本いれてみました。」
大ちゃんが、辛さに涙目になりながら睨む。
「お前、これ、なんのいじめ・・・?」
「大ちゃん、キャバクラ?のライター持ってたでしょ?洗濯するときに見つけちゃったんだからねっ!!
これに懲りて、もうお遊びはしません。って誓ってよ。」
何のこと?って感じで、小首を傾げる大ちゃん。
視線が、過去の記憶をたぐりよせるように、宙を泳ぐ。
「あーっ!!もしかして、あの時のっ!!」
「あの時の、誰?」
誰だよ。あの時のあの子。可愛かったな~。なんて、思い出してるんじゃないだろうねっ!?
「あの時の、スタッフさんだよ。タバコ吸おうとしたら、たまたま火を切らしてて。ライター借りたんだけど、そのまま撮影に呼ばれたから返し損ねてただけ。へー・・・。キャバクラのライターだったんだ。」
「大ちゃんのライターじゃないの・・・?」
「まおがいるのに、そんな店行くわけないだろ?それに、そんなわかりやすいヘマすると思うか?」
「じゃあ。内緒なら、するの?」
ちょっと、ここは意地悪をしておこう。
念には、念を入れよ。だ。
「そういう問題じゃなくて~~!!まお一人で、十分ぐらい満たされてるってこと。」
「ほんとに・・?」
「ほんと。」
ぎゅっと引き寄せられて、こつん。と額がぶつかる。
「誰かさんの勘違いで、俺は、美味しいシュークリームの変わりに、激辛しゅーを食べさせられたって訳だ。」
「・・・ごめんなさい。」
「じゃあ、おあいこでまおも食うか?からし一本入りシュークリーム。」
「ええっ。おれ、辛いの苦手~~!!!」
それは、本気で勘弁だ。
「じゃあ、ごめんなさいのキスして?」
ほら。と、睫毛が触れそうな位置にある大ちゃんの瞳が、催促する。
ドキン。と鼓動が鳴る。
ごめんなさい。じゃなくても、キスしてほしくなるような眼差し。
ドキドキと高鳴る胸の鼓動を押さえながら、ちゅ。と大ちゃんのくちびるにキスをした。
「・・・からっ。」
おれの早とちりで始まったお仕置きは、大ちゃんのくちびるに残っていたちょっぴり辛いキスでお返しがきた。
「ごめんね。大ちゃん。」
「愛してるよ。まお。」
何度も、何度もキスを繰りかえすうちに、どんどん二人の吐息が混ざり合って、甘い味になった。