「枕がなんだかへたってきちゃったなあ。新しいの買わなきゃ。」
ベッドに滑り込んできたまおが、ぽんぽん!と枕を叩く。
・・・と言っても、枕は横によけてしまう。
俺が腕を差し出すと、満足そうに、「おやすみい。」と言いながら頭をコロンと乗せる。
じいいっと横顔を見詰められながら、胸筋をまさぐられる。
いつものお休み前の落ち着く時間。
「でも、どーせお前枕使わねーんだから、ヒトツでよくないか?」
ぽんっ。と横に置いておくだけのお飾り枕なんだから最初からいらない気がする。
「違うのっ。大ちゃんがいないときに必要なの。」
「・・・。まさかお前、俺の枕と兼用が嫌。とか言うんじゃ・・・。」
がーん・・・。
とうとうおじさん臭がするから、大ちゃんの枕なんて使いたくない。とか言われる年齢になったのだろうか。
・・・一応、こっそり体臭予防のボディーソープにはしてるんだけどな。
「まっさかあ。むしろ、大ちゃんの枕じゃないと、安眠できないよ。」
「じゃあ、なんで二つ必要なんだ?」
よかったあ。ひとまず、嫌われたんじゃなくて。
心の中で、ほっと胸を撫で下ろしていると、まおが俺の腕から胸にかけてつつーっと指先を滑らす。
「だってさあ。この高さに慣れてるから。枕一個だと低いんだよね。」
上腕の筋肉に、ちゅ。と口づけてから、ふふっと笑う。
「大ちゃんの腕枕って、枕二個分はあるよね。」
「水泳やってたからなあ。腕と胸の筋肉はあるな。」
ふふ。嬉しいではないか。
俺の腕枕サイズじゃないと、安眠できないから枕が二つ必要だなんて。
「今度、低反発のいいやつ買ってやるよ。」
「んーー。そんないいやつじゃなくていいよ?だって、大ちゃんがいないときしか使わないんだし。
・・・それに、願わくば、使用頻度が少ないほうが嬉しいし。」
ちょっとだけ、しゅんとうなだれるまお。
・・・そっか。そうだよな。一人寝は少ないほうがいい。
俺だって一人寝のときは、腕がすかすかするというか、物足りなさを感じて熟睡できないのだ。
「いつも、寂しい思いさせてごめんな。まお。」
「ううんっ。お仕事が充実してるってことだもんね。」
ふるふるっと力強く首を横に振る。
そのたびに、さらさらっと腕に触れる髪の毛の感触が心地よい。
まおの背中をぽんぽんと撫でながら。
「やっぱ、お互いここが一番落ちつくよなあ・・・。」
「うん。ほんと・・・。」
「浮気できないね。」
「そうだぞ。枕の高さの違いで、寝不足になって体調崩すだろうな。」
「・・・ま。しないけどね。」
「当たり前だろ?」
「じゃ、おやすみ。」
「うん。おやすみい・・・。」
すり。と俺の胸に腕を回して、安心したように寝息を立て始めるまお。
俺だけの、癒しの天使。
でも、その天使が休息できるのは、俺の腕の中だけ。
そんな満足感を覚えながら、俺も眠りにつくのだった。
ベッドに滑り込んできたまおが、ぽんぽん!と枕を叩く。
・・・と言っても、枕は横によけてしまう。
俺が腕を差し出すと、満足そうに、「おやすみい。」と言いながら頭をコロンと乗せる。
じいいっと横顔を見詰められながら、胸筋をまさぐられる。
いつものお休み前の落ち着く時間。
「でも、どーせお前枕使わねーんだから、ヒトツでよくないか?」
ぽんっ。と横に置いておくだけのお飾り枕なんだから最初からいらない気がする。
「違うのっ。大ちゃんがいないときに必要なの。」
「・・・。まさかお前、俺の枕と兼用が嫌。とか言うんじゃ・・・。」
がーん・・・。
とうとうおじさん臭がするから、大ちゃんの枕なんて使いたくない。とか言われる年齢になったのだろうか。
・・・一応、こっそり体臭予防のボディーソープにはしてるんだけどな。
「まっさかあ。むしろ、大ちゃんの枕じゃないと、安眠できないよ。」
「じゃあ、なんで二つ必要なんだ?」
よかったあ。ひとまず、嫌われたんじゃなくて。
心の中で、ほっと胸を撫で下ろしていると、まおが俺の腕から胸にかけてつつーっと指先を滑らす。
「だってさあ。この高さに慣れてるから。枕一個だと低いんだよね。」
上腕の筋肉に、ちゅ。と口づけてから、ふふっと笑う。
「大ちゃんの腕枕って、枕二個分はあるよね。」
「水泳やってたからなあ。腕と胸の筋肉はあるな。」
ふふ。嬉しいではないか。
俺の腕枕サイズじゃないと、安眠できないから枕が二つ必要だなんて。
「今度、低反発のいいやつ買ってやるよ。」
「んーー。そんないいやつじゃなくていいよ?だって、大ちゃんがいないときしか使わないんだし。
・・・それに、願わくば、使用頻度が少ないほうが嬉しいし。」
ちょっとだけ、しゅんとうなだれるまお。
・・・そっか。そうだよな。一人寝は少ないほうがいい。
俺だって一人寝のときは、腕がすかすかするというか、物足りなさを感じて熟睡できないのだ。
「いつも、寂しい思いさせてごめんな。まお。」
「ううんっ。お仕事が充実してるってことだもんね。」
ふるふるっと力強く首を横に振る。
そのたびに、さらさらっと腕に触れる髪の毛の感触が心地よい。
まおの背中をぽんぽんと撫でながら。
「やっぱ、お互いここが一番落ちつくよなあ・・・。」
「うん。ほんと・・・。」
「浮気できないね。」
「そうだぞ。枕の高さの違いで、寝不足になって体調崩すだろうな。」
「・・・ま。しないけどね。」
「当たり前だろ?」
「じゃ、おやすみ。」
「うん。おやすみい・・・。」
すり。と俺の胸に腕を回して、安心したように寝息を立て始めるまお。
俺だけの、癒しの天使。
でも、その天使が休息できるのは、俺の腕の中だけ。
そんな満足感を覚えながら、俺も眠りにつくのだった。