仕事が終って家に帰ってからも、俺の一日はまだまだ終らない。

特に春は忙しいのだ。

税金やら、各種手続きの変更などを、まおに説明しながら通帳やら印鑑やらを渡す。
つけなくてもいい。って言っているが、「大ちゃんのお金だから。」って
まおがつけてくれている家計簿のチェックをして。

「先にシャワー浴びる?」

と、まおが用意してくれている風呂にゆったりと浸かりながら、時々聞こえてくるキッチンからのまおの鼻歌に耳を傾ける。

最近、まおがはまっているアロマの入浴剤の香りをかぎ、先ほどまおを抱きしめたときに香り立った香りと同じ香りに、胸をときめかせる。

風呂からあがると、キッチンで料理を作っているまおがいて。

向かい合って、お互いに今日一日のできごとを報告する。
特にまおは、新しい環境になって、毎日が新鮮らしく話題に事欠くことはない。

キラキラ。

夢に向かって歩みだしたことが楽しくてしかたがないよ。
って感じで興奮気味に話すまおの瞳は、どんな宝石よりも輝いている。

食事が終れば、膝上にごろん。と寝転んで甘えてくるまおの髪の毛を撫でながら、台本を読む。
あー・・。この瞬間が一番幸せかな。

まあ、まおがいればいつでも幸せなんだけど。

ぱたん。と台本を閉じれば、ぴょこんっ。と身体を起こして
「終った?」
と、期待いっぱいの表情で見詰めてくる。

「ああ。今日はここまで。・・・お待たせ。まお。」
「んんっ・・・。」

まおを抱き寄せると、嬉しそうにくちびるを重ねてくる。

さて。

ここからがまた長い一日の締めくくりが始まる。


みんな。おやすみgood night。



・・・・まだ、寝ないけど。


やらないといけないことが、たくさんあるので。


な。