テニミュの稽古始まりは、自然発生的にストレッチから始まる。

役柄上ダブルスを組んでいるとよと一緒になることが多いのだけれど。

今日は、他の仕事の都合で遅れるらしい。


みんなの様子を眺めながら、一人で黙々とストレッチをしていると。

しょーご君と組んで、まるで子どもを教えるように、きゃいきゃいとストレッチをしていた部長と、ふ。と、目が合う。

「おう。今日はまお一人か?」
「・・・あ。はい。とよが遅れてくるって・・・。」

もしかして、楽しそうだな・・・。羨ましいな・・・。
なんてついついじっと見詰めてしまったのがバレタのだろうか?
なんて、内心焦る。

「俺と組むか?まお。」
「えっ。いいんですか??」

「まおは、カラダ固いからな~~。背中が柔らかくならないと、ダンスもいつまでたってもぎこちないままだぞ?」
「・・・・うっ・・・。」

痛いところを突いてくる。
さすがは、部長。

「ほらっ。」

背中合わせのストレッチのために差し出される腕。

・・・部長の腕って、筋張っていて男のオトナの腕って感じだなあ・・・。
なんて、意味もなくドキドキする。

僕も、あと9年したらこんなふうにオトナっぽくなるんだろうか?

「いくぞっ?」
「うん。いいですよ。」

ぐいーっと引っ張られて、背中がつりそうになる。

「わわっわあっ!!いたいっ。いたいってば。ぶちょーっ!!」
「あはははっ。これぐらいで痛がってるようじゃ、まだまだだなあ。」

ジタバタする僕にお構いナシに、楽しそうに笑う。

やっとこさ、すとん。と降ろされて、ほっと息をつく。

「はーっ・・・。ほんと、つるかと思った・・・。じゃあ、交代っ。」
「バカっ。お前なんかにおぶさったら、お前潰れちまうだろ?もう一回まおが上。」

「・・・ええっ!?わわわっ。」

なんて、抗議の声を上げる暇もなく、天井がぐーんと近づいてくる。

・・・あ。でもさっきよりマシかも。
ちょっと背中伸びてきもちいい・・・。

「ぶちょー・・・。さっきより、気持ちいいかも。」
「背中、伸びたか?」

「・・・うん。」

すとん。と降ろされて、なんだかちょっと物足りないような気分になる。

一回目は、ちょっとびっくりして力が入りすぎていたのかもしれない。

「もう一回、して?」
「なんだよ。お前、急に楽勝になったなーっ!!」

頭をぐりぐりっと撫でられて、もう一回背中合わせになる。


ぶちょーの背中に、体重をのっけて、天井を見上げるのって気持ちいぃ。
これが、外だったらもっと気持ちいいのにな~~。

ぶちょーの広い背中はとっても安心する。

やっぱり、4代目ぶちょーって感じだなあ・・・。


なんだか、ずうっとこうやってぶちょーの背中にのっかっていたいような気分になった。



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おしまい。

え?どこが大まおかって!?
まだ、恋心にさえ発展してないぐらいの頃ですね~~^^
でも、ちゃんとまお君は大ちゃんの背中で安心してるんですよ。この頃から。


では、おやすみなさい。