今日はゆっくりと二人で公園に散歩にでかけて、ぶらぶらとお買い物をして、春らしい洋服を何点かセレクトして。
久しぶりに、二人でスーパーに寄って夕食の買出しをした。

なんか、こういう平凡な日常って幸せ。
本当に家族になったような気分を味わえるから。
愛する人が隣にいる。って感謝すべきことだよねえ・・・。

二人っきりのエレベーターで、とん。と大ちゃんにもたれる。

おれは両手で紙袋を抱えていたし、大ちゃんも両手にスーパーの袋を抱えていたから、
お互いに体重をちょっとだけ預けあって、肩のぬくもりを感じる。

うん。
手をつなぐのもいいけれど、こうやって肩を触れ合わせているだけ、ってのも、なんだか秘め事っぽくて、
心の中でにまにましてしまう。


エレベーターから大ちゃんが先に降りて、おれがついてゆく。
いつもの、なんだかお決まりの習慣。

鍵を開けようとするけど、大ちゃんは両手ふさがり。

「あ。おれが開けるよ。」

紙袋を床に置いて、かばんの中を探る。
鍵を鍵穴に差込み・・・・。

ぐさっと、置くまで届くのに、回らない。

「あれ??開かない・・・。どうしてかなあ?」
「貸してみろよ。・・・あれ?ほんとだ・・・。」

二人で暫くガチャガチャとやっていたけれど、あんまりしつこいと泥棒と間違えられても困るので、一旦大ちゃんの鍵でドアを開けて、家に入る。

「ん~~?なんでだろう・・・。」

荷物を、テーブルの周りにどさっと置いてから、ソファに座って鍵をまじまじと眺める。

「・・・あっ。そういえばっ!!」

昨日、実家に帰ったときに、「家の鍵貸して。」って言われて、外したんだった。
・・・実家のほうだと思ってたのが、ここの鍵で、実家の鍵が・・・コレ??
つまりは、大ちゃんの家の鍵を、お母さんに貸しちゃったってことか。

見た目はそっくりでどこがどう違うのかわからない。

「実家の鍵と、ここの鍵、間違えたかも・・・。」
「え~~。家の人、困ったんじゃないか?」

「あっ。そういえば、そうだね。・・・でも、あれから連絡ないってことは・・・。まだ気がついてないかも。」
「うーん。でも、本当にそっくりだなあ。ディンプルキーって、見た目ではほとんど違いがわかんないもんな。」

「しかも、ちゃんと鍵穴には刺さるし。」
「・・・ああ。」

なんだか、しみじみと考え込む大ちゃん。

「・・・どうしたの??ごめんね。大切な鍵を、実家に忘れてきたりして・・・。」

いい加減なヤツだ、とかって、怒ってる??
じいっと、鍵をみつめたままの大ちゃんの反応に心配になってくる。

「・・・ああ。それは、大丈夫だよ。だって、まおの家族だって家の鍵だと思って、大切に保管してくれてるだろうから。困らせちゃわないうちに、連絡とっておかないとな。」
「あ。うん。そうだね。」

・・・あれ?じゃあ、なんでこんなに黙りこくっちゃたの・・・?

「なんかさあ。こんなに見た目が似てて、鍵穴にまで入るのに、回そうとしたら、回らない。って不思議だよなあ。
幾千、幾万種類ものパターンがあって、組み合わせは無限大で、同じモノは二つとない。
・・・なんかさあ。最近、なついてくれてかわいいいな~~。とかって思う後輩もいるけど、まおとは、全然違うんだよな。」
「・・・どういうこと??」

それと、鍵がどうつながるのかが、よくわかんない。

「どんなに可愛い外見してても、性格がよくても、なついてくれてても・・・。
他の人からみれば、まおと同じような存在に見えるかもしれないけど、やっぱり俺が惚れるのはまおだけだなぁ。って・・・(笑)どんなに幾千通りの攻め方でアプローチされても、お前以外には落とされないからな。俺。」
「ちょ・・・。大ちゃん・・・。」


じいいっと、視線をそらさずにしてくれる愛の告白。

なんだか、あまりにもストレートで恥ずかしい。
そんな面と向かって、本人相手にのろけられても・・・・。

でも、そんなところが好きなんだけどね。

「ほんと、早急に、間違いを正しておきます。」

照れ隠しに、ぺこり、とお辞儀をする。

そっくりな人間がいたとしても、お前の代わりはいない。
どんなに可愛い後輩ができたとしても、おれへの気持ちは揺るがない。

そう言ってくれたんだよね。

おれだって、大ちゃんだから、好きになったんだよ・・・。
他のだれでも、ダメなんだからね。

照れ隠しとか、気をひくためについつい他の人と仲良くしちゃうけどさ。

「・・・おれも、ちょっとでも違ったら、刺さらないからね。」

大ちゃんみたいに、ストレートには伝えられないけれど、この気持ちが少しでも伝わりますように・・・。



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うーん。言いたいことわかっていただけましたかね??
最近の穴がいくつか空いているパターンキーって、ぐさって刺さっても、ちょっとでも違うと回らないですよね。
合鍵も作れないし。

今日、たまたま平井賢さんのアルバムのジャケみていて、「鍵穴」ってタイトルがあって、
「やん。素敵な響き・・・。」と思って浮かんだお話です。
本物の、「鍵穴」って曲は・・・どんな曲なのか歌詞読めてないのですが(笑)

今日は、更新遅くなっちゃってごめんね~~。
おやすみなさ~いっ!!