「ほら。まお。行くぞ~~?」
「ええっ。待ってよ~~。」

春らしいシャツを羽織って、ボタンを留めている大ちゃんに部屋から呼ばれる。

「今度の休みには、お洒落して一緒にデートしような?」

舞台続きであんまりゆっくりと二人きりで出かけることが少なくなってしまった今日この頃。
毎日一人で出かけるおれに、大ちゃんが言ってくれた言葉。

基本的に、そんなに外見にかまわないおれは、一人きりでのお出かけが多くなってからすっかりと手抜きを覚えてしまった。
出かけようとすれば、大ちゃんに「ちょっと待って。まお。髪の毛はねてる。」なんて呼び止められて、ドライヤーを当ててくれることもよくある光景になりつつある。

なので、久しぶりのデート、と言われればそれはそれは気合いが入ってしまう。
なんてったって、大ちゃんと並んで歩くんだもんね。
お似合いのカップルと思われたいじゃないかっ!!

「ああっ。もうっ。昨日ちゃんと髪の毛乾かしてから寝ればよかった~~。」

大ちゃんが帰ってきていれば、びしょびしょのまま寝ようとしようもんなら
「風邪引くぞ?」と絶対に乾かしてくれる。

でも、昨日は大ちゃんが遅かったから先に寝ちゃったんだよね~~。

鏡の前で、あれやこれや、と髪の毛を一生懸命ひっぱりながらセットしていると、大ちゃんの気配を感じる。


「まーおっ。そんなに気合入れなくても、十分キマッテルから。」

いつもはそんな寝癖のままでかけない。とかってたしなめるくせに。

「だって、せっかくのデートなんだも・・・ん・・・。」

ドアに寄りかかって、こっちを見ている大ちゃん
胸元を大胆に開けた、シャツを着て・・・・・。

「大ちゃん・・・。それ、反則・・・・。」

シャツからちらり、とのぞく胸の筋肉があまりにも逞しくて、クラクラする。
こんな大ちゃんと並んで歩いていて、平常心を保てる自信ない・・・。

「そうか?」
「そうだよっ。色気、ありすぎるのっ!!もっと、しまって!!」

ドライヤーを放り出して、大ちゃんのシャツのボタンをぷちぷちと留めてゆく。

「春らしいと思ったんだけどな~~。」

ボタンを留めるおれの手元を見ながら、大ちゃんが嬉しそうに笑う。

「・・何?もしかして、まお、むらむらした??」
「そうそうっ。惚れ直しちゃうからっ。今から出かけるのに、出かけられなくなるでしょ?」

更に、にやにや。と嬉しそうになる大ちゃん。

「ふふふっ。俺はでかけられなくなっても、いいけど?」
「・・・・せっかくの久しぶりのデートなんだもん。一緒に出かけたいのっ!!」

すっごく、すっごくベタなデートコースだけど、水族館に行って、お花見しながらランチを食べて、ちょこっと遊園地で遊んで・・・・。
夜は、夜景の綺麗なバーで乾杯しようね。って約束していたのだ。

「大ちゃんって、フツーにシャツ羽織るだけで、カッコイイだもん・・・。ずるいよ。」
「まおだって、何着ても美人だぞ?」

「いやいや。大ちゃんのカッコよさには負けるから。」
「・・・今度、まおに似合いそうなシャツプレゼントするよ。まおは、きちんとしたシャツが似合うから。」

貴方にとって、一番でありたいと思う。
だれからも、お似合いだね。って言われたいと思う。

おうちデートも大好きだけど、たまにはこうやってお出掛けして・・・・。

なんだかみせびらかしたくなるんだよね。

・・・・でも、色気だだ漏れは、禁止(笑)


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昨日UPした、シャツをはだけた大ちゃんからのお話でした~~。
ああん。このまお君、すっごくかわいいいいい。
大ちゃんのナチュラル感もたまんないっ!!って一人できゃいきゃいしながら書いてました(笑)