さああっと、風が吹きぬける。
春の心地よい風が、カーテンを揺らす。

「・・・ねえ。大ちゃん。このベッドカバー可愛いよね?」
「・・・どれ?」

まったりとした時間。
昨日の愛し合った余韻を漂わせながら、まおが枕を抱えてベッドに横たわる。
肩から腰にかけてのラインが、美しい・・・。

すうっと、背骨のラインを辿りながら、まおがめくっている雑誌を覗き込む。

「ほら。これ。・・・金糸と銀糸で小さな花の刺繍がしてあって・・・。なんか、春にぴったり。」
「ああ。そうだな。そろそろ、ベッドカバーも変えようか。」

まおの横に、ともに横たわろうとすると、窓から小鳥が舞い込んでくる。

「・・・おや。珍しいお客さんだ。」

野生の小鳥のようだが、全く動じもせずに俺の膝にちょこん。と止まってくる。
真っ黒なつぶらな瞳がかわいい。

「・・・わあ。小鳥さんだあ。こんにちわ。」

まおがシーツをまとったまま、俺の横に肩を並べる。
真っ白なシーツをまとったまおは、まるで天使のようだ。

まおが指を差し出すと、ちょこん。とまおの指に飛び移る小鳥。

「・・・なんか、前にもこんなことあったよなあ・・。まおって、鳥の扱いうまいよな。」
「ふふっ。うまいのかなあ?・・・ただ単に、なぜか懐いてくれるだけだよ?」

懐かしい旧友と会いでもしたかのように、目を細めるまお。

しばらく、まおの手をつついたりして遊んでいた小鳥が、俺のほうを向いて、ぴちちっ。とさえずる。

「・・・ん?」

小首をかしげると、ばさあっと、羽根を広げて飛び立ってゆく。

はらり。と舞い散った一枚の羽根が残される。


なぜだかわからないけれど、とっても懐かしいような気分になったゆったりとした時間の流れる朝だった。



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まだ、イラスト直してないんだけど・・・。
あの部屋が2階だったら、バージョンです。
そして、とっても懐かしい「運命のいたずら」(ブログのほうでは、天使のいたずら)のお話の二人のその後。になります。
・・・やっぱ、この二人好きだなあ。書いてて、幸せになる。