「よしっ。準備完了っ!!」
鏡の前で、前髪だけさささっと直して、めがねに帽子を装着してDバックを背負うまお。
「えっ。お前それで出かけんの?」
「・・・ダメ?」
「ダメ・・じゃないけど・・・。もうちょっと、気合いいれねーの?」
「うん。だって図書館だもん。面倒くさい。」
そりゃ、いかにも学生さんです。といった風貌ではあるけれど。
・・・もともとは、あんまり外見かまわないの忘れてた・・・・。
磨けば光る原石そのもの。といったまおは、二人っきりのときはすっごくリラックスしていて、
寝癖がついていても、平気だ。
カメラを向けられらたら、瞬時にしてスイッチが入ってキラキラっと光輝くオーラを発するけれど、
二人っきりのときは、まるでゆるキャラのように癒される。
・・・・ま、その寝癖すらもかわいいんだから、直す必要もないんだけど。
「ほらほら。俺がセットしてやるから、ここ座りな?」
「え~~。大丈夫なのに~~。」
なんて文句を言いながらも、鏡の前に素直に座る。
「せっかくこんな美人に生まれてきて、もったいない・・・。」
「・・・大ちゃんだけが好きでいてくれたら、それでいいもん。」
褒められると照れてしまうまおは、こうやってわざと軽口を言う。
「こんなビジンな人が、俺の恋人です。って自慢したいだろ?」
かあああ。ってわかりやすく頬を染めるまおが、かわいい。
「・・・わかった・・・。もうちょっと、がんばる・・・。」
思い立ったらすぐ行動っ!!のまお。
出かけよう。という気分になると、わくわく。と顔に書いてありそうな勢いで、ぱぱっと身支度を済ませて「じゃあ、行ってくるねっ。夕方には戻るから。」なんて言って出かけてしまう。
せっかくまおが休みに入ったのに・・・。
と、慣れるまでは、いちいち寂しさを感じていたが。
最近は、お互いにベツベツの時間を過ごすことさえも、楽しめるようになってきた。
・・・やっぱり、家族ってゆー自覚の余裕かな。
「今度の休みには、お洒落して一緒にデートしような?」
「・・・うんっ。」
キラキラっ。と嬉しそうに笑顔になっあまおは・・・。
やっぱりどんな宝石も叶わない、俺だけの原石。