「や~~。すっかり長風呂しちゃったな。」
「ほんと~~。」

きゃいきゃい言いながら、お互いの身体を拭きあいっこする。

「大ちゃん、背中びしょびしょだよお。」
「まおだって、髪の毛の雫たれてるぞ?」

「・・・ここ、狭いな。」
「うん。確かに。」

割と広めのユニットバスであるけれど、さすがに男二人で着替えるには、ちょっと狭い。

髪の毛も乾かさずに、バスローブだけ羽織って、部屋に戻る。

「・・・わあっ。ふっかふか~~。」

ベッドにぱふん。とダイブする。
・・・我ながら、ちょっとテンション高いよなあ。なんて思いながら。

後から入ってきた大ちゃんがベッドの横に腰掛ける。
目の前に、大ちゃんの節ばっていて男らしいのに繊細な指先が迫ってきて、ドキンとする。

大ちゃんの指先が、腰のあたりを、さわ。と触れてくる。

ふたたび、ドキン。と跳ねる鼓動。

「だいちゃっ・・・。」

急に抱きしめられたくなって、上体を起こして後ろを振向く。
ぐいっと、脇の下を抱え上げられ、ふっとカラダが軽くなったと思うと、息もできないぐらいにぎゅうっと抱きしめられた。

「まおっ。まおっ。愛してるっ・・・。」

今までされたことのないような、激しいキス。
舌先を絡められ、吐息ごと奪うような・・・・。

「んっ・・。ふっ・・。」

カラダの芯から、力がぬける・・・。
大ちゃんの香りに包まれて、クラクラする。

「あっ。んっ・・。ふっ・ぅっ・・・。」
「はっ。あっ・・。まっおっ・・・。」

すっかり吐息が上がってしまった頃に、やっと離れるくちびる。

「なんだか・・・。余裕ないなあ。俺。カッコワリイ。」

照れくさそうに笑う大ちゃん。
その笑顔が、とっても、とっても可愛くて、またまた胸がきゅうんとする。

スマートでオトナだと思っていたけれど、こんな顔するんだ。
と思うと、なんだかくすぐったくて、嬉しくて。

僕だけに見せてくれる、余裕のない表情。

ぱさっと、大ちゃんから隠れるようにして、布団の中に入る。

「まーおっ。もう、寝ちゃうのか??」

今までだったら、ヘッドロックをかけてきて、無理やりでも起こしてかまい倒してきた大ちゃん。
いつ攻撃がくるのかな~~?なんて、布団の中でわくわくして待っている。

「こらっ。俺を置いていくなよ~~。」
ばさあっ。と布団をめくりあげると、自分も隣にもぐりこんでくる。

「つーかまえたっ。」
クスクスと笑いながら、大ちゃんに抱きしめられる。

布団を頭からすっぽりかぶって薄暗くなった空間が、二人だけの秘密基地みたいで、ワクワク・ドキドキする。

布団のなかで、もぞもぞと二人でバスローブを脱がせあいっこする。
肩を滑ってゆく、大ちゃんの指先が気持ちいい。

「・・・なんか、こうやって改めて見詰め合うと、照れるな・・・。」
「・・・ふふっ。ほんと・・・。」

今までだったこうやって、素肌を感じながら抱き合った。
ギイとタクミとして。
カメラのまわっているところで。

でも、今は二人っきりなんだと思うと・・・。

なんだか、改めて意識してしまって照れる。

「まあ、朝までは、まだまだ時間があるさ。・・・途中で寝るなよ。まお。」
「ぷっ。今日は、それどころじゃないよ・・・。」

クスクスと笑いながら、お互いの素肌にキスを落としてゆく。


やっと実ったfirst loveは、これから永遠に続くこととなる・・・・。



----------------完---------------------