やさしい月明かりが二人を包み込む。

七色に輝く虹色の光が波間に反射する。

海を渡る橋がつなぐ古代と現代の世界。


瞳を閉じれば、聞こえてくるのは寄せては返す波の音だけ。

いったい幾人もの人々の思いを、こうやって運んできたのか。

大切な人を守るために、荒ぶる神々に対抗し、戦い抜いた男達。

今、隣にいる貴方もそうやって僕を守ってくれる。


傷ついても、血を流しても、それでもお互いに離れることのできなかった運命。

世界の全てが僕達の存在を否定しても、決して負けない強さ。

そんなものを、教えてくれたね。


虹の橋を渡る車のヘッドライトが、ひしめき合うように行き来する。

こんな広い宇宙の中で、こんなにたくさんの人々が行き交うことが不思議に感じる。

こんなにたくさんの人々が行き交っても、実際に出会うのはほんの一握り。


貴方も同じことを感じたのかな?


包み込むようなぬくもりを、そっと肩に感じた。


髪の毛を優しく撫でる指先。

頬に触れるあたたかい感触。


ふっ。と隣を向けば、ふわ。とやさしいキスが降ってきた。

キラキラと虹色に輝く光に包まれて、貴方が微笑む。


奇跡のような出会いに感謝して・・・・。

そっと、瞳を閉じた。