今更だけど、ホワイトデーのお話~~。
アメンバーのゆあちゃんのイラスト拝見して、浮かんだよおお。
ついでに、このまお君の向こうの大ちゃんも浮かんだから描いてみた(笑)
こうやって、ループしていくの本当に楽しいっ!!!

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一人でお留守番にもなれてきた今日この頃・・・。

お休みに入ってすぐは、ずうっとやりたかった部屋の模様替えとか、雑貨作りとかに熱中していたけど、
最近は朝大ちゃんを見送ったあとに、テレビを見ながらほっと一息入れることが多い。

大ちゃんの部屋で・・・。
いやいや。
二人の、部屋で。
大ちゃんの残していった気配を感じながら飲むコーヒーは格別に美味しい。

「そっかあ。今日はホワイトデーかあ。」

テレビから流れる、ホワイトデー売れ筋ランキングとかなんとかの話題を他人事のように聞く。

いいなあ。なんか楽しそう・・・。

もちろん、いただいたチョコへのお返しは用意した。
イベントごとに参加できない他人事、のような寂しさではない。

「だって、ハーゲンダッツ・・・。だもんなあ・・・。」

大ちゃんにチョコをあげたくて。
でも、恥ずかしくって、精一杯背伸びして買ったハーゲンダッツ。

とてもバレンタインのプレゼントです、と呼べるような代物でも、色気も可愛げもなかった。
それでも、大ちゃんは「そのがんばってくれた気持ちが嬉しいよ。」
って、ぎゅううって抱きしめてくれたけれど。

「きっと、忘れてるよなあ・・・。」

だって、おれに「稽古忙しくて買いに行けそうにないから、お返し買ってきて。」って頼むぐらいだもんなあ。
きっと、すっかり忘れてる。

・・・いや。いいんだけど。
あんな、バレンタインと呼べるような代物ではないモノに、お返しを期待するなんて図々しい・・・。

「今日も、一日みっちり稽古だよなあ。」

毎日新しい擦り傷を作ってくる大ちゃんの足から、今回の舞台にかける意気込みが伝わってくる。

「・・・さて。出かけますか。」

テレビをぷちん。と切って、リュックに本と筆記用具と、カメラとスケブと色鉛筆を詰めてドアを開ける。


「ん~~。いい気持ち。」

外はうららかな春の陽気を感じる空気だ。

図書館で、目的の本をあさり、公園にでかけてベンチに腰掛けながら借りてきた本を広げる。
ざああっと風が吹く度にどこからか、舞散ってくるピンクの花びら。

「この淡いピンクかわいいな・・・・。」

指でつまむと、やわらかな花びらの感触に思わず笑みがこぼれる。

「うん。こんな春を感じる硝子テーブルに透かし模様で、ピンクの花びらとかいいかも・・・。
あっ。バックがつやつやの黒で、ピンクの花びらが散ってるデザートプレートとかもいいいなあ。」

膝にスケブを置いて、イメージをささっとデザインしてみる。

「うん。きっとこんなテーブルでごはん食べたら、笑顔になるよね。」

・・・なんて、自分のイメージの中のテーブルに、ミルクたっぷりのカフェオレと、ほかほかのクロワッサンと、色鮮やかないちごが並んでいるところを想像する。
もちろん、テーブルに向かい合って座っているのは、大ちゃん。

お散歩しているワンちゃんに出会ったり、道端に咲く小さな花を発見したりしているうちに、あっと言う間に一日が終る。

「さて。帰りますか・・。」

帰りがけに、スーパーに寄って今日の夕食の買出しをする。

がちゃ。と鍵を開ける瞬間だけ、ちょっぴり寂しい。

愛する人の帰りを待っていられるのは、とおっても幸せなのだけど。
「ただいま~。」と誰もいない部屋に声を掛けるのは、やっぱりちょっと寂しい。

朝は、大ちゃんの気配がそこかしこに感じられるのだけど、
帰って来る頃には部屋の中も冷えてしまって、大ちゃんがまだ帰ってきていないことを意識してしまう。

テーブルに、カタン。と鍵を置き、食材を冷蔵庫にしまう。

「早く帰ってこないかな~~。大ちゃん・・・。」

ぽすんっ。とソファに座って、テレビをつけると、またまた「ホワイトデーには、こんなものもらいました~~。」
なんて、幸せそうなカップルが取材を受けてたりする。

「ううっ・・。見なきゃ、よかった・・・。」

せっかく出かけて気分転換をして、忘れてたのに。

今時、男子だって友チョコ時代なんだからさっ。
変に意識しすぎないで、買えばよかったかなあ。

この部屋には似合わないのだけれど、抱き心地がよくってついつい置きっぱなしになっている大きなハート型のクッションをぎゅううっと抱きしめる。

おかえり。と言ってあげれる嬉しさと、一人ぼっちの寂しさが絡み合って複雑な気分になる。

「今日は、早いといいなあ・・。せっかくのホワイトデーなんだし・・・。」

面白くもなんともないニュースの画面をなんとなく見詰める。



がちゃ。

21時を過ぎようかと言う頃、玄関のドアを開ける音がする。

「だいちゃっ!!!おかえりっ。」

クッションを、ポーンと放り投げて、スリッパも履かずに玄関に飛んでゆく。

「あははっ。まお。なんか、飼い主を待つ、室内犬みたいだな。」

勢いよく首に抱きついたおれの背中を、ぽんぽんと撫でてくれる。

「・・・まーおっ。今日はお土産があるんだけど。」
「・・・なあに?」

少し離れると、大ちゃんが悪戯っぽくウインクをくれながら、小さな包みを取り出す。

「・・・ささやかだけど、ホワイトデーのお返し。これ選んでて、ちょっと遅くなった。ごめんな。・・って言っても、駅前のケーキ屋さんのだけど・・。」

じわ。

目頭が、じんわりと熱くなるのを感じる。

こんな朝から晩まで稽古して、へとへとだったろうに。
最近の大ちゃんの眠りの深さからして、毎日ハードな稽古で、そんなホワイトデーのことなんて考えてくれてるなんて思いもしなかった・・・。

「ふえええん。ありがとお。大ちゃん・・・。」
「・・・そんなに感動することか?」

ぽろぽろと涙をこぼしてしまうおれに、ちょっぴり呆れて?いる。

「だって・・・。もらえるなんて、思ってなかったから・・・。」

単純にお返し、という意味合いだけでなく、本来返す立場であるホワイトデーに大ちゃんからプレゼントをもらえたこと。
一人で待っている時間がいつもよりも何だか寂しかったこと。
そんな想いがごちゃ混ぜになって、ぽろぽろと涙がこぼれてしまう。

「開けて見るか?まお。」

赤いリボンのかかった小さな包みを開けると、宝石のようにキラキラと輝く小さくて可愛いチョコが数粒入っていた。

「わあ。かわいい・・・。」
「だろ?」

「ありがとっ。大ちゃん。大好きだよお。」
「ふふっ。俺もまおに喜んでもらえて、うれしい。」

大ちゃんがくれた小さな宝石箱のようなチョコ。

掌にすっぽり収まってしまうぐらいの小さな、小さなプレゼントだけど、ぎゅぎゅ~~っと大ちゃんの想いが詰め込まれている気がする。

どんな宝石よりも、キラキラと輝くチョコたち。
そんな大ちゃんの思いの込もったチョコは、ほんのりビターで、後からふわあっと甘さが広がる恋の味がした。



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ひょえ~~。ちょっと最後の一文は我ながら、恥ずかしい・・・。
ん十年前の少女マンガみたいだねっ。
でも、昭和な人間だから仕方ないか~~。

で。大ちゃん。
さっさかさ~~と描いてしまったので、手の位置おかしい?気がするけれど。。
私、パーカー大ちゃんが大好きなんですううう。