「ちょ。大ちゃん、これひどくない~~??」
PCでなにやらチェックしていたまおが、素っ頓狂な声をあげる。

「ん~~?なにが?」
俺はと言えば、食後のコーヒーでも入れてやろう。とケトルに水を汲んだところだ。

「大ちゃんのブログっ。もう、一週間以上更新してないじゃんか。
スタッフからのお知らせばっかり~~。」
「・・・あ。忘れてた。」

「ほんと、そういうところ、面倒臭がりやだよねええ。
ファンのみんなのために。ってすっごく気を遣ってるかと思えば、こんなところが意外にずぼらだったり。」
「ん~~。だって、まおがブログ書かないから・・・。」

くるくるっと大きな瞳が、びっくりしたように見開かれる。

「なんで、おれのせいなのさ~~?」
「まおのブログチェックするから、自分も書かきゃなあ。って意識できてたから。」

それ、理由になってないよ。
と、まおがぼそっと口の中で反論する。

「・・・それに、最近稽古以外はまおとずっといるからな。ごまかして書くの、難しい・・・。」
「・・・そんなの、今までみたいに青空の写真とかでもいいじゃんか・・・。」

ぽそり。と照れながら小さくつぶやく。

「だって、まおが側にいるから。今頃何してるのかな~~?って空を見上げる必要がなくなちゃった。」
「じゃあ、明日から一人で行く?」

見上げるまおの瞳は、ちょっぴり意地悪だ。

「・・・ヤダ。」

即答で否定する。

せっかく毎日うっきうきで稽古に出かけることができているのに。
・・・しかも、今回はスケジュールの都合がつきやすくなったから、「絶対観にいくね?」
なーんて、まおが約束してくれているのだ。

今まで以上に気合いが入るってもんでしょ!!

「じゃあ。もうちょとマメに更新してあげてね?
こんなに大ちゃん一人占めさせてもらって、何だか悪いよ・・・。」
「そうだな。みんなを心配させちゃうもんな。まおと一緒にいれて満足しちゃって、忘れてた。」
そうやって、デレデレしてるから忘れるんだよお。」

ぽすん。と全然本気じゃない猫パンチをくれる。


もともとそんなにマメに携帯をいじるほうではないのだ。
まおに出逢ってから、メールが届くのを心待ちにしたり、よもや稽古中に着信履歴がなかったか?
なんて意識するようになって、携帯依存症になってしまったけれど。

満たされている現在は、携帯の存在が薄くなってしまった。
一人歩きをする時間が少なくなったここ数日は、まおを思って空を見上げることも少なくなった。
だって、毎日駅まで一緒に見送りしてくれるから。

平成生まれだなあ。
やっぱり。

若かりし頃を、メールやラインや、フェイスブックやツイッターでコミニュケーションを取るツールとして遣っていなかった俺は、ついついブログ更新とかを意識から落としがちだけど。

まおは、そういうところ本当にマメだもんなあ。

幸せに浸りすぎて、忘れモノしないように努力するよ。


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大ちゃ~~~ん。
そろそろお顔見せてほしいなあ。
顔じゃなくても、青空シャメでもいいから、生きてるよアピールプリーズっ!!

青空さえ見上げないのかしら??
そっかあ。まお君が側にいるもんねっ!!

と、妙に納得・・・・。
まお君、ちょっと喝入れてあげて~~。