「・・・なあ。まお。トリゾでお前を見送れて、本当によかったよ。」
「うん。すっごく楽しかったし、みんなの気持ち伝わったよ。」

大ちゃんが、頭をシャンプーで泡泡にしながらしみじみとつぶやく。
これで一旦卒業だと思うと、変に意識せずにすっごくナチュラルな自分でいれたし、
みんなで工作も楽しかったし(笑)

ほんと、自由なおれと馬場っちに呆れてる大ちゃんだったけど、
「仕方ないなあ。お前ら。」みたいな目で付き合ってくれるとこも大好きだよ。
かまって欲しくて、ついついはしゃいじゃうんだよね。

白いテープ貼ると気にね。
届かなくって、圭ちゃんのほう見たら他の作業に夢中になってて気がつかなかったんだよね。
こういう時、大ちゃんだったら何にも言わなくても、気がついてくれるでしょ??
なんかねえ。
すっごく当たり前になってたけど、やっぱり二人で作り上げてきた空気感ってあるなあ。
って思ったよ?

おとーさん。なんて照れくさくてついついからかっちゃうけど・・・。
本当は、こうやって家族みたいにどんなことがあっても味方だよ、っていう安心感とか。
何も言わなくてもわかってくれる大ちゃんのことが大好きなんだよ。


すっかり冷めてしまった湯を、追い炊きにしてまぜまぜしながら、大ちゃんを見上げる。

ざあああ------。

と、ワイルドな感じで、シャワーで泡を流すと滑らかな流線を描いて、素肌を水が流れてゆく。

綺麗・・・。だな。

「・・・なあ。気がついてた?まお。」
「・・ん?何が??」

「今回のトリゾ、23回目だったってこと。」
「うん。そうだよね。・・なんか、意味あるの??」

髪を洗い終わった大ちゃんが、湯船に滑り込んでくる。
ざばあ。っと溢れるお湯。
向かい合わせに座ると、真摯な瞳でのぞいてくる。

「まおの、23歳への旅立ち、って気がすっごくした。・・・なんか、未来へ送りだすんだな~~。って。」
「あ・・・。ほんと・・・。」

22歳の浜尾京介が伝えれるのは、ここまで。
これからは、新しい自分を模索しながら大ちゃんと一緒に生きていきます。
そんなメッセージを込めることができたんだろうか。

もちろん、偶然には違いないだろうけど。

「あっ。でもさあ。大ちゃんだって、今年32歳だよ??逆にしたら。」
「ああ。ほんとだ。なんか、色んな意味で感慨深いなあ。」

きっとお互いに忘れられない#23になるね。
・・・ふふふ。今度ラッキーナンバーは?って聞かれたら、
間違いなく23です。って答えるよ・・・・。