「・・・なあ。まお。デザインの仕事って具体的に何をするわけ??」
「ん~~。色々あるけど、おれは建築に興味があるから、建物の完成パースのデザイン画を描いたり、新しくオープンするお店の内装をデサインしたり・・・。ってところかなあ・・・。」
まおが、チェアの背もたれにもたれて、うーんと伸びをする。
「なんか、尊敬するなあ。凄いよ。お前。次々に自分の道を自分で切り開いてさ。」
「自由奔放なだけ。とも言うけどね・・・。まわりを巻き込んでさあ。でも、みんながよき理解者で、ほんと嬉しい。」
ふわ。と微笑むまおには自由が似合う。
「それだけの努力をしたもんな。どれだけまおがみんなのこと説得したか、自分のアツイ思いを伝えたか知ってるよ?」
「うん・・・。大ちゃんも、ありがとうね。応援してくれて。」
てくてくと歩いてきて、ぽすん。と俺の膝の上に納まるまお。
最近ベツベツに過ごす時間が多くて、自分の足で歩き出したなあ。
なんて頼もしくも寂しくもあったのだけれど。
あまりにものしっくりとなじむまおの体に安心する。
ああ。まおがどんなに強く、遠く羽ばたいたとしても、まおの居場所はここにある。
そんな確信が持てて。
「俺にはできない生き方だなあ。」
「それが、大ちゃんのイイトコロでしょ??どこまでも自分の信じた道の高みを目指していって。
俺の背中をみて育てよ。って後輩思いで・・・。みんなに気を配って、自分の思いのままにわがままをいったりしたいところが。」
きゅっと首の後ろに腕をまわし、じっとみつめてきたかと思うと、
ちょっと小首を傾げて、ちゅ。と掠めるだけのキスをくれる。
「そんな大ちゃんに憧れてここまでこれて。自分に自信が持てて。そんなところが大好きなんだよ?」
キラキラと希望に輝く瞳。
「・・・それにねえ・・・。」
ふふふ。と幸せそうに微笑むまお。
「デザインの仕事はおうちでもできるから、ずっと、ずっと大ちゃんと一緒だよ。
もうちょっとだけ、待っててね・・・。」
羽ばたこうとしているまおを、さみしいと感じていることを知っているかのようなまおの発言。
「そっか・・・。あともうちょっと頑張れ。そして、待ってるよ。」
連日の舞台挨拶や移動の連続で、少し目の下に疲れが溜まってきているまおが心配にもなるけれど。
悔いのないように。
やりきった。
と胸を張って言える様に残された日々を一所懸命過ごそうとしているのかがわかるから。
お前を抱きしめて、敢えて「頑張れ。」とエールを贈ろう。
それが、俺たちの生きかただもんな。
まお。
------------------------------
職場で、意外と知り合いがデザインの仕事しているヒトが多くて盛り上がってました。
んふ。おうちでできる仕事~~。てかわいいお話にしたたっかんだけど、真面目になちゃって、ごめんねww