まおには、まおの友達がいるんだから。とか。
俺だって、まおの会ったことのないダチだって、たくさんいるだろ？とか。
自分に問いかけてみるけれど、やっぱり気になるものは気になる。
俺と一緒にいるのに、携帯をいじって誰とやりとりしてるんだっ！？
雑誌を読んでいるふりをして、ちら。と見ていなふりで、視線だけでまおの気配を察する。
コテン。と携帯を持ったまま、体重をあずけてくるまおの重みが、バクバクと心臓を高鳴らせる。
無意識にこうやって甘えてくるんだよなあ。
「・・・よし。完了！！」
「・・・何が？」
がばっと起き上がったまおに、つられて聞いてしまう。
「今日のみなんさんへのご報告だよお。」
「・・・なんだ。ブログか。」
明らかにほっとしてしまった自分を情けないと思うけれど、やっぱり特定の相手と俺に内緒で（いや、別に内緒にしてるつもりじゃないんだよなあ。まおも。わかってるつもりなんだけど）連絡を取り合っているのは面白くない。
タッキーからの電話で、ものすごくそれを感じた。
「あのさあ。まお。俺のこと、好き？」
「・・・好きだよ。なんで、そんなこと聞くの？」
そんな当たり前のこと・・・。って瞳で見詰めてくるまお。
「じゃあ、お前のこと束縛したい、って言っても嫌いにならないか？」
「・・・したいの？」
「オトナゲないかもしれないけど、本当はスッゲーしたい。箱に入れて、毎日持ち歩きたいぐらい、したい。」
「・・・ぷぷぷっ。携帯じゃないんだからさあ。」
あははっ。とまおが春のように笑う。
「・・・本気だぞ、まお。・・・実は、結構タッキーのところに行ってたの傷ついたんだからな。」
「・・・そうなの？」
きょとん。とした表情でじいいいっと俺を見詰めてくる。
あああ。もうっ。本当にこの愛らしい瞳に、どうにかなってしまう輩がどれだけいることかっWW
本人に自覚がないから、気をつけろ。と言っても効果がないところが悩ましい。
「そうなんだあ。大ちゃん、傷ついてたんだあ。」
んふふ。と、嬉しそうに笑う。
「いつも余裕たっぷりだから、そんなふうに思ってるなんて知らなかったよ。・・・なんか、嬉しい。」
「じゃあ、箱に入れて・・・。」
腕の中にまおを閉じ込めようとすると、ぺしっと叩かれる。
「入らないでしょっ！！今度から、ちゃんと報告する。・・でもね。箱に入れてあれもこれも駄目、ってのは嫌だからね。」
「・・・・まお・・・。」
俺の膝の上で、向かい合わせにのっかってきて、両腕をがしっとつかんで真っ直ぐに伝えてくる。
「ちゃんと、大ちゃんのこと好きだから、大好きだから。あんま、そんなこと言われると、嬉しすぎて余計に他の人とべたべたしちゃうよ？」
「あまのじゃくだな～～。お前。」
する。と首の後ろにまおが腕を絡ませてきて、ちゅ。とキスをくれる。
「・・ねえ。大ちゃん。携帯買って？」
「今の機種、変えたいのか？」
突然のおねだり。
こんなふうに自分から何かほしい。なんていうことは珍しい・・・というか、初めてだ。
「ううん。大ちゃん専用の。・・・ほら。大ちゃんでいっぱいにしたいから。着信履歴も、メールも、写真も全部大ちゃんだけ。」
「おっ。なんかそれ、嬉しいわ。」
「んふふ。そうでしょ？？ちゃんと、大ちゃんはトクベツだよ、って印に。」
「そっかあ。まるごとお前、って携帯持ってるだけで幸せになれそうだ。」
「じゃあ、今から出発っ！」
「・・今からっ？どこへ？」
「もちろん、ショップに決まってるでしょ～～？？ああ。何色にしよっかなあ？？スマホかなあ。iphoneかなあ？」
ぴょんっ。と膝の上から跳び下りてコートを羽織り出しているまお。
ほんと、マイペースと言うか、なんと言うか・・・・。
二人で、ぴっかぴかのおそろいのスマホを買って、家に帰る。
「楽しみだねえ。」
「ああ。・・・じゃあ、まずは記念撮影、だな。」
二人で並んで自撮りして、待ちうけ画面に設定して。
携帯なんてあまり気にしなかった俺が、まおのメールが気になってしかたがなくなって。
ついにまおのために２台目まで持つことになるなんて、まおと出逢うまでは考えもしなかったなあ。
なんて、自分を笑う。
でも。
長年の価値観、というのもはそうそう変わるものではなくて。
まお専用、を気にするあまり、自分のケータイをほったらかし、になりがちになってしまって。
「大ちゃんっ！！！もう、ブログ５日以上更新してないよお？」
なんて、まおに指摘されて、おお！！そうだった。そうだった。
なんて、あわてて「お久しぶりです。」なんて記事を書くはめになるなんてことも、予想してなかったなあ。
いやはや。
昭和生まれの俺だけど、まおに関してはがっつり携帯依存症、だわ。
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これで、完結です～～。
なんか、イマイチなんだけどね。私の中で、すっきりしてない。
要は、まおと出逢ってから、携帯依存症になったわあ。って大ちゃんが書きたかっただけなんだけど。
長くなってくると、焦点がぼやけてしまって、何がいいたかったのかわからなくなるんだよね。
でも、妄想も、脱線も大得意（苦笑WW)の私なので、仕方ないさあ～～。