「たっだいま~~。」

くじらイベが終って、テンション高く、おうちに帰る。

「おかえり。・・・まおちゃん、ちょっとそこ座りなさい。」
「ん・・・?」

あれれ?なぜだか大ちゃんのご機嫌が悪い。
抱きしめて、おかえりのキスをしてくれない。
それどころか、肩を抱かれてそのままソファに直行。

・・・が、いちゃいちゃタイムのはじまり、を表していない事は長年の付き合いでわかる。

「これ、どういうことだ?」
「どうって・・・。今日のご報告。」

スマホを目の前に突きつけられ、帰りの電車の中でUPしたブログの写真が、目の前に迫る。

「ご報告、にいちいちちゅ~するのか?お前は。」
「・・・別に、ちゅーまでしてないじゃん。たっくんが、ちゅー顔するから、合わせただけだよお。」

「じゃあ、お前も画面に向かって、ちゅーでいいだろうが。ファンの皆さんに向かって。なんで、ここにたっくんにちゅーなんだ?」
「・・・・うーん・・・。確かに。なんか、そういう気分だっただけ。」

むっすう。とふくれる大ちゃん。
もうっ。ちゅーってたって、あと10cmは距離あるし。そんな本気でふくれなくても・・・。

「ブサキンで、あれだけ王様に好き好き言われてもしっかりガードしてたから安心してたのに。」
「だって、たっくんは親友だよお?別に何もないよ。」

「親友ってのが、一番心配なんじゃないか。まおの心、もっていかれる。・・・あっ!!わかった。お前、もしかして、実は若いほうがいいなあ。とか思ってるんじゃないだろうなあ。・・いつかは、俺だってそうやって触らないで。とか言われるんだろうなあ・・・。」
「・・・もうっ。なんで、そうやって話が飛躍するのさ。」

面倒くさい大ちゃん。
こんなに面倒くさいのに。なぜ、こんなにも好きなんだろう。

「反対だよ。たっくんなら、本当にちゅーしても、それ以上の感情にはならないから。絶対。ん~~?ロクにちゅーするような感覚?なの。おれの中では。でも、王様は本当におれのこと好きなんだなあ。って思うから、きっぱり、はっきりしとかないと誤解させちゃうでしょ?」
「ほんとーだな?」

「ほんと、ほんと。」
「ほっぺにちゅーでも、浮気だからな。まお。」

真剣な表情で、迫ってくる大ちゃんがおかしい。

「わかってるよお。そんなこと。」

ほんの些細なこと、でもこうやってマメにチェックして、いちいちやきもちを妬いてくれる大ちゃんが大好き。
それだけ、気にかけてくれてる。ってことだよね?

「ふふ。心配性の大ちゃんに、アイシテルヨ、の印。」

ちゅ。と唇にキスをあげると、ふにゃあ。って目尻の下がる大ちゃん。

「おまっ。うまくなったよな~~。そういうとこ。どこで、覚えてくるんだか・・・。」
「アナタ。」

ふう。とため息をつく大ちゃんの鼻先を、人差し指でつっつく。

「アナタ以外、いないでしょ?大ちゃん以外、本気で好きになったこと、ないんだから。」
「・・・やっぱ、お前、俺の扱いうまいわ(笑)」

大ちゃんがふふふっ。と笑って、おでこをこっつんこする。
鼻先が、わずかに触れ合う。

「世界の誰よりも、愛してるよ。」
「ふふっ。俺も、まおを誰よりも愛してる。」

ちゅ。ちゅ。と何度もキスを交わす。

心配性の大ちゃんが、もっともっとおれのこと、好きになってくれますように・・・・。

ね?