「弟さんを僕にください。」
そう、言ってくれたよね。ギイ--------。
ではなく。
「弟さんを、預かってもいいですか?」
なんて言いだす大ちゃん。
ことのおこりは、兄に毎日のように大ちゃんの話をしていたら、「今度会わせてよ。」なんて話になり、
嬉し、恥ずかし、大ちゃんを兄に紹介する、なんてシュチュエーションにある。
もちろん、最愛のコイビトです。なんてことは、まだ言っていないのだけれど。
「預かる・・・・とは?」
「同居してもいいですか?ってことです。」
「・・・なに?京介。そんなとこまで話進んでるの?」
まじまじ。と兄に見詰められ、照れてしまう。
・・・もう、大ちゃんってばああああ。
確かに、20時になるたびに、「帰りたくないよお。・・一緒に住みたいな。」なんて言ってたけど。
「・・うん。あのね。僕、大ちゃんのこと、大好きで。・・・って、知ってると思うけど。
どうしても、一緒に住みたいなあ。って毎日思ってて・・・・・。」
「そっかあ。それで、最近しょぼぼん。ってして帰ってきてたんだ。」
ニコニコ。と優しく見守ってくれる兄の瞳。
「・・・まおって家族に愛されてるよなあ。」
「・・・えへへ。・・・うん・・・。」
大ちゃんの掌が、頭をなでなでしてくれる。
うん。家族にも、大ちゃんにも愛されて幸せな僕。
「・・・こんなふわふわした天然な弟でよかったら。しっかり教育してやってくださいね。」
「うわああ。ひっどおおい。」
「・・・こう見えて、天然なくせに意地っ張りで頑固なところありますから。」
こそ。と大ちゃんに耳打ちする兄。
全然内緒話になってないから!!
「・・・知ってます。そんなところも愛してるので。」
わわわわ。
聞いてるこっちが恥ずかしいよおおおお。
やっぱり全然内緒話になっていない二人の会話に百面相な僕。
「すっごく、すっごくマイペースなので、愛想尽かさないでくださいね。」
「ええ。きちんと21時には寝かせますよ。」
こそこそ。と二人で楽しそうに話ながら、ちらちらとこちらに視線を投げかけてくる。
・・・くすぐったくて、嬉しい。
実の兄と、兄のように慕ってきて、いつの間にか恋心に変わっていた大ちゃんに囲まれて。
・・・僕の好みって年上、だったのかなあ??
大ちゃんしか好きになったことないから、わかんないけど。
なんてね。
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かるーく一話。
どのあたり・・・でしょう。
青空卒業ぐらいかなあ??もちっと前かなあ??ぐらいですかね。