いつから、こんなにも携帯が気になるようになったのだろう。
もともとは、あまり気にしないタイプで、もちろん、友人とのやりとりに連絡手段として使う。程度のグッズとして、出かけるときには必ず忘れていないかチェックするもの、であり、万が一忘れても、「まあ。用事があればまたかけてくるか。」ぐらいの感覚だった。
なのにいつの間にか、アイツのせいで--------。
「大ちゃん、今何してますか?」
「今、お仕事終ったところです。今からごはん一緒に食べれますか?」
「試験終ったよ。歴史はちょっと自信あり。」
そんな他愛もないメールをよこしてくるまお。
本当に、ただただ日記か!?というような別に急ぎもしない内容でも、まおからのメールが届くと嬉しくて。
ついつい、そーか。そーか。と携帯に相槌を打ちながら、微笑んでいる自分に気がつく。
「癒し系キャラだよな。あいつは。」
たくみくんで共演して気心の知れた仲間にも、こうやってメールをしているのだろうか。
俳優仲間が増えてよかったな。という気持ちと、俺だけになついてるんじゃないんだ。という相反する気持ちが混在し、
何とも複雑な気持ちになる。
それを、見事に言い当てるかのようなタッキーからの電話。
「今、まおが泊まりにきてるんだけどさあ。」
「・・・おお。そうなのか。タッキー家、どこだっけ?」
ざわざわ。
言い表せないけれど、そんな感情が心をざらつかせる。
これは、俺がタッキーの家を知らないのに、まおが知っている。という嫉妬ではない。
そんなことは、百も承知だ。
なのに、自分の本心を知られたくなくて
「何だよ。タッキー水臭いなあ。俺も誘ってくれたらよかったのに。」なんて返してしまう。
「ええ~。だって、二人も来たら雑魚寝だよ?俺んち、そんな広くないんだし。大ちゃん、かさ高いし。
・・・それに、撮影中はずっとまお独占してたじゃんか。」
「・・・おれ達の友情って、そんなもんかよ。」
「あははっ。妬かない。妬かない。・・・いつか、有名になって、広い部屋借りれるようになったら、大ちゃんも呼んであげるからさ。」
・・・違うのだ。タッキーの家に呼んでほしい訳ではない。
「あ。まおが風呂からあがってきたわ。じゃあな。大ちゃん。」
プツ。と途切れる会話。
今頃二人は何をしているのだろうか。
ほかほかと湯気のあがるまおが「タッキーさん。お風呂ありがと。お先でした。」なんて言っているのだろうか?
「おう。じゃあ、俺も入ってくるわ。」なんて、タッキーがまおの肩に手をかけたりしているのだろうか。
今頃、二人で「これ、おすすめの映画だよ。」とか言いながら、ソファに並んで二人でレンタルしてきたDVDでも見ているのだろうか・・・。
「何だよ。楽しそうだな、俺も今から行ってもいいか?」ぐらいのこと、言えばよかったのに。
たくみくんで共演した仲間として、それぐらいのことは言っても普通だと思う。
なのに、俺に黙って(いや。まおにしてみたら、俺に報告する義務なんて全くないのだが)タッキーの家に泊まり込んでいたことが、妙に腹立たしく感じられて、矛先をタッキーに向けてしまった。
いけない傾向だ。
たくみくんでコイビト同士を演じた時間があまりにも長すぎて、まおが自分のものだ。と勘違いしてしまっている。
首を振って、マイナスの感情しか生み出さないタッキーの家での二人。の映像を消し去る。
「・・・なあ?まお。俺達、付き合ってるんじゃなかったのか?」
いつから、なんてわからない。
「付き合ってください。」とも、「付き合ってくれ。」ともお互いに明確に言葉にしたことはない。
・・・ただ、なんとなくそんなつもりになっていた。
もちろん、プライベートでキスをしたり、抱き合ったり、そんなことはなかったけれど。
周囲からは、「二人はつきあってるんですよね?」という視線で見られていたし、まおもまんざらでもないように俺にべたべたと甘えてきていた。
じっと見詰める視線も、必要以上に触れってくる肌も。
俺のことを意識してるんだと思っていたのに----------------。
とんだ、空回りだったのか?
まお。
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あちゃーWWW
予定外にもほどがあるよおおおお。大ちゃんっWW
もちろん、なんとなくの書き出しでわかるうに、目指したのはスイートです。軽い短編です。
もちろん、タッキーさんなんてでてくる予定はありません。
しかも・・・。どの時期の設定にしても、まだ告白もしていないいいい。という、塩味大ちゃんになっちゃった。
やばいですね。続く。ですね。
またまたノープランですが、①としておきましょう。