思いやり

過保護で、心配性で、やきもち焼きで、・・・でも、どうしようもなくおれを愛してくれているコイビト。

昨日は、きっと一睡もしていないんじゃないか、と思う。
おれを心配させまいと、寝たふり、としてくれていたけれど目がさめると大ちゃんが待ってくれていたから。


「ふふ。愛しいてるよ。ありがと。」
今日は安心して？ぐっすり眠っている大ちゃんの眉毛と、鼻筋ラインをすうっと指先でたどって、起こさないようにそっとベッドをでる。

「ごはん・・。後でいっか。一人だし。」

顔を洗って、髪の毛をセットして。

キッチンのほうから、漂う香り高いコーヒーの香りに、ん？とのぞく。

「おはよ。まお。」
「もうっ。寝ててよかったのに。」

「一緒に朝ごはん、食べよ？」
「・・・わあ。ありがとお。」

テーブルには、大ちゃんの愛情のいっぱい詰まった、ほかほかのクロワッサンに、とろっとろのスクランブルエッグが並んでいる。

「お前と、朝ごはん食べたいから。」
「・・・ん。そうだね。」

共に生きられる時間というのは、限られているのだ。
共に過ごせる時間を一回だって、無駄にしたくない。

そんな大ちゃんの声が聞こえてくるような気がして。

「うん・・。そうだね。今日と言う日は、二度とやってこないからね。」
「ああ。まおとの時間、大切にしたい。」

トクベツな記念日じゃなくたって、こうやって毎日を大切に。
・・・そんな、大ちゃんの思いやりが大好き。