虹色の撮影が終って、ほっとして。

「はあああ。終わったね~~。」
「まお、ほんとがんばってたよな。強いなあ、って思った。」

「・・強い?僕が?」
「ああ。何回NG出されても、凹まずにちゃんと答えようって気持ちが表れてて。俺、ちょっと感動しちゃった。」

うれしい。
コイビトだけど、俳優としての先輩である大ちゃんにそんなふうに言ってもらえて。
ずっと見守っていてくれて。

「ほら。がんばったまおにご褒美。キャラメルマキアート。」
「・・・わあ。いい香り。」

こうやって二人でくつろぐ時間に、やっぱりお水は寂しいし、炭酸ジュースとかはなんだか僕一人子供で恥ずかしい。
大ちゃんみたいに、かっこよくコーヒーブラックで。とか飲めるようになりたい。ってわがままを覚えていてくれて、最近はもっぱら砂糖たっぷりのキャラメルマキアートとか、カフェモカとかを用意してくれる。
「これなら、まおでも飲めるだろ?」って・・・・。

実際、甘いいい香りがして、ほっとするようなあったかさで、少しずつコーヒーが好きになりかけていた。
・・・まあ、大ちゃんが入れてくれるのが嬉しいってのもあるんだけどね。

「大ちゃん、ありがとうね。側にいてくれて。」
「ん・・・・。」

両手でカップを包んでふうふうと冷ましながらぽそりとつぶやく。
大ちゃんの腕が肩を抱き、僕の手からカップを奪うとゆっくりと顔が近づいてくる。

ふんわり。と重ねられる唇。

ちょっぴり苦いコーヒーの香り。

「・・・まお。愛してるよ。」
「ん・・・。ありがと・・・・。」

想いが通じ合ってから、毎日ささやいてくれる愛の言葉に照れはなくなって、素直に心に染み入ってくる。

ことん。と大ちゃんの胸に頭を落とす。
抱きしめて、キスしてほしくて。

大ちゃんがキスをくれながら、シャツのボタンを外してゆく。
なんだかとっても自然に身を任せてしまっていたのに、2個目を外したところで、ふ。と手を止めてじっと見詰められる。

「まお・・・。答え・・・。」
「・・・え?」

「まだ、答え聞いてない。」

ああ。そうだった。きちんと言葉にして伝えるのを忘れていた。

「いいよ。大ちゃん。大ちゃんと触れ合いたい・・・。」
「・・・そっか・・・。お前の気持ち、ちゃんと受止めたよ。」

「ベッド、行こっか・・・。」
「うん・・・・。」

大ちゃんに手をつながれて、指先がアツイ------------。